「これをつくるのに四苦八苦してます」と よく会話の中で使いますよね。
この四苦八苦ということばは、熟語として よく知ってるのに、こんな意味を持っているということは知らなかった。
「生老病死」(しょうろうびょうし)。
生まれて、老いて、病に倒れ、そして死んでいく。
これが「四苦」。
これに、
「愛別離苦」(あいべつりく)。 愛する人と別れる苦しみ。
「怨憎会苦」(おんぞうえく)。 憎い人と会う苦しみ。
「求不得苦」(ぐふとっく)。 求めても得られない苦しみ。
「五蘊盛苦」(ごうんじょうく)。感覚の苦しみ。
この四つの苦を加えて、“四苦八苦”。
生まれて、老いて、死ぬこと。 時間は逆さまには流れない。
だれにも逃れることのできないということを、2500年も前から お釈迦様が言っておられるそうです。
皆さんは知ってました?これからは慎重にことばを使います。
瀬戸内寂聴著『老いを照らす』朝日新書を読んでいたら出てきたことです。
この本も読んでいると、「老いる」ということはこういうことか、と気づき、
「老いていく過程」を、もっともっと楽しもうと思わせてくれる一冊です。
【写真】瀬戸内寂聴・著『老いを照らす』朝日新書089・
(表紙の一部)朝日新聞社2008.01.30.刊・\720E