『 ドンナ・マサヨの悪魔 』 村田喜代子・著 文芸春秋・刊
“ドンナ”は女性の尊称。これに自分のことを指す「マ」を付けると、「私の理想の女性」すなわち“マドンナ”になる。
さすが小説家だと思うのは、想像力がたくましい。
平凡な生活をしている人には、考えも及ばない内容。
娘の胎内から不気味な声が聞こえてくる。
祖母になるドンナ・マサヨさんと 娘の胎児の不思議な会話が、怖さもあるが、新鮮というか ドキドキとときめいて 思わず読んでしまった。
ほかの登場人物はごく平凡な人物が描かれていて、面白くも何んともない。
この作家のものは何冊か読んでいるが、
個性は強いがなぜか惹かれる主人公が描かれていて、面白く読める。