骨董について書かれた本で、こんなに笑ったのは初めてだ。
むつかしいことも やさしく書かれていて読みやすい。
上坂冬子の本は以前にも読んだし、顔も浮かんでくる。
こんなにもユーモラスな人なのか。
特に、伊万里焼の十二単の六寸皿と、冬子内裏雛のイラストは傑作だ。
もうひとつ、空中信楽の壺のイラストと、冬子先生の片肌脱いだイラストは、ご当人にそっくりで 吹き出してしまう。
骨董の器も購入の折に具体的に使用目的を考えておられる。
実用的というか、さすが女性の愛好家とお見受けした。
高価な器たちには、花も料理も庶民的。私にも親しみが持てる。
金直し(金繕い)のしてある器を「やつれ」と言うことを、知りました。
古瀬戸産の抹茶茶碗は、本文の写真を見るだけでも ぞくぞくしますね。
【写真】上坂冬子著『ときめき老後術』ひとり暮らしの骨董ざんまい 2007.12.28.第1刷。海竜社刊。