『 名作の書き出し ・・漱石から春樹まで・・』
石原千秋・著 光文社新書
本書では 作家15名の代表的な小説を、どう読んでいったら おもしろく読めるか、が書かれている。
わたしは その中で漱石の『それから』が気になった。
高校生の頃 読んだと思うが、主人公の「三千代」という女性の名前は覚えていた。
今までにどれだけの本を読んだかわからない。
本書によると「自分だけの物語」だと思っているが、実は、そのほかにも物語がこっそり隠されていて、それを見つけ、読み解くのがおもしろいという。
なるほど、この『それから』も、代助と三千代の恋の物語でありながら、実は遺産相続にかかわるテーマ(家庭崩壊する物語)が書かれているということ。
さすが著者は 深い読みをされる、と感心した。
【写真】『名作の書き出し・・漱石から春樹まで・・』 石原千秋・著 光文社新書 光文社・発行。 2009.9.17.発売。@861