掃除をしていたら、
醤油の染み込んだメモ紙が出てきた。
これは お正月料理の「棒だらの煮物」のレシピで、
2年前に亡くなった母の字で書いたもの。
商家の大家族の嫁であった母は、
毎年 おせち料理を作るのに、二日間はずーっと台所にいて、
紅白歌合戦を見ながら、重箱に詰めたりしていた・・。
特に、黒豆と棒だらは 得意料理。
わたしは結婚してからも 棒だらは自分で作らず、
正月に実家で食べるのが愉しみで通した。
高齢になり「私は体力がないから もう作れない。この紙にかいてあるから、見て作ってね」と渡されたのが このメモ紙。
2、3年は メモを頼りながら自分で作ったが、
棒だらのよいのが手に入らないのと、
「3日間は 朝、晩、漬けた水を取り替えながら・・」とあるように、手間がかかるので作らなくなってしまった。
自分が継いだ母の味を、娘たちにも継いでいけなかった、と少し 残念。
このレシピを見ながら、
「昔の主婦は大変だったなあ」と、亡き母を想った。