近ごろ 作家・山本一力さんに はまっている。
江戸時代、新しい「かわらばん屋」(瓦版屋)として、
事業を起す岩次郎の物語。
岩次郎の、商いをする経営手腕は、今の時代にも通じることが 多くあるように思えた。
たとえば、「商いの根幹を危うくするような倹約は、毒でしかない」という。
節約とは異なる。
ここ一番というときは、何事も惜しんではいけない、ということか。
また、どんな者でも、誇りを持っている。
部下であろうと年下であろうと、人を大切にしなければならない。
日ごろ、岩次郎は、これを実行している。
岩次郎のひと言で、80人を超える職人たちは、ピンと背筋を伸ばす。
睨みが利くのである。 温かみのある男性(人間)なのだろう。
かなり長編なので、読むのに時間がかかる。
本ばかり読んでいるので、家事がはかどらないのが、玉にキズ。
それでも止められないほど魅力のある本。
今度はお正月に読もうかなぁ。
【写真左】山本一力・著『早刷り岩次郎』 朝日新聞出版・刊
2008.7.30.第一刷発行 @1700E
【写真右】山本一力・著『くじら日和』 文芸春秋・刊
2008.2.15.第一刷発行 @1333E