演出家・プロデューサーとしての著者が遺した 幻のエッセイ42編。
久世光彦。この人の名を聞けば、
「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」がなつかしい・・。
どのエッセイも 短くて 読みやすい。
「帽子の岸 恵子」の内容は、岸恵子という女優さんの生き方が、
短い文の中に織り込まれて”うまいなぁ”と感動ものだ。
「樹木希林」の章も、個性がひしひしと伝わる。
久世光彦演出といえば、
向田邦子さんがセットのように 今も浮かぶ。
人の心の可笑しさ、哀しさ、うれしさ、切なさというものを、
このコンビで ドラマにされていた・・。
わたしは お正月(元旦、2日)になると、
向田邦子のドラマを観ながら 思う。