本書は 図書館の新刊コーナーで見つけた。
40年以上も前の学生だった頃、なぜか、わたしはこの作家の本が好きで、よく読んでいた。
そのころに「人間の絆」、「月と六ペンス」は、この著者によって訳されたものを読んでいたのだ。
日本でも医者でありながら、作家として活躍している人も多くおられるように、サマセット・モームも医者になる修業をして、作家になった、心やさしい男性(ひと)だったと書かれている。
わたしが読んでいたころは、サマセット・モームは日本でブームだったとか(いま、知りましたが・・)。 わたしにとっては読み易かったし、モームの描く小説の内容に興味があったからだ。
モームによれば、人は誰でも五十歩百歩。 そう変わりはない。みんな同じだ。 誰も彼も矛盾した要素を持っていて、善だけの人、悪だけの人など、一人も居ない、と。
人間は誰も彼も、白黒でなく、灰色みたいなものという考えで、人間が描かれている。「そのことがモームの人気の理由の一つである」と、著者は言っている。
長いこと わたしの本箱に、この本は置いていた。
今は処分してありませんが、もう一度 読んでみたい「人間の絆」を。 死ぬまで置いておきたい 一冊に しよう。
【写真】 行方昭夫・著 『 サマセット・モームを読む 』~岩波セミナーブックス S10~岩波書店・刊。2010.6.29.第1刷発行。@2200e