図書館の新刊コーナーで 何気なく手にした。
著者は がん・感染症センター都立駒込病院院長。 さまざまながんの患者の告知の体験を書かれ、 死について、何人かの終末期のエピソードが書かれている。
本書で書かれているキューブラー・ロス(精神科医)は、一万人を看取ったと言われている。 その著書『死ぬ瞬間』ベストセラーの中で書かれた、
「死の受容の五段階」は 心に残ります。
1.不認 (自分が死ぬなんて、あるはずがない・・)
2.怒り (なぜ 自分が死ななければならないのか・・)
3.取引 (何とか、孫の入学式まで生かさせて・・)
4.抑うつ(もう、何もできない・・)
5.受容 (死を受け入れる)
エピソードの中の、「 今日は死を受容できない。 昨日は少し受容できた、でも死にたくない、まだ33歳だ。 」
このように若い人の「がん」は とくに哀しい。
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人間にとって、他人の死と 自分の死は 全く別物だから・・・。 動物園のトラを檻の外から眺めるのと、ジャングルで突然目の前にトラと出合ったというくらい違う。 自分の死は、ジャングルで出合ったように、自分に襲いかかってくる現実問題なんだ。
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この例えは よく理解できる。
今は がんでなくとも いつかは訪れる「死」について 考えさせられた一冊。