知人は「これからロクロをやってみたい」という。
わたしが湯のみを挽いているのを見てびっくりしていた。
手びねりで作れば何十分もかかるが、ロクロではわずかな時間でできてしまう。
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わたしもロクロを始めたころ、友人に連れられて、常滑の作家を訪れた(桧原窯の、今は亡き大迫みきお氏)。
先生は1時間に湯のみなら50個くらい挽けると言われ、わたしにはうそのように思えた。
実際に先生のを見てみると 嘘ではなく、魔法のようだ。
しのぶ竹(忍竹)という竹の「忍釉」を使った作品は、優しい色合いで和食器としてすばらしい。
とくに先生の まな板皿は最高。
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わたしも茶わんを作らせていただいた。
後日 先生の手が加わり、送られてきた。
おだやかで 教え方の上手だった先生。
新聞紙上で知った先生の訃報。
あれから10年にもなるか・・。
【写真上】わたしがロクロを始めたころの「忍釉茶わん」。
故・大迫みきお氏の手ほどきを受けながら作った茶わん。
【写真下】故・大迫みきお氏作「忍釉盃」・桧原窯。
函書き、しおりもなつかしい。いまも大事にしている。