万城目 学(マキメ マナブ)・著 『 ザ・万遊記 』 集英社・刊
著者の存在は、エッセイ集『ザ・万歩計』を読み、知った。
今回もエッセイ、読み応えがあった。
中でも日曜日のテレビ番組「渡辺篤史の建もの探訪」の大ファンだという。わたしも時どき観るので、著者の感想は どれもよく解かる(この本では、毎月、今月の渡辺篤史として登場する)。
この番組では、実際に在るお宅を訪問し、男優である篤史さんが紹介するというもの。
わたしも すてきな建物ばかりで、うらやましく観ている。
著者が言うには、篤史の視点・言葉が添えられているからこそ、画面の中の世界が一気に彩りを得るのだ、と。
何のことはない、テレビで放映された家を見たら(著者は実際に見に行かれた!)、いたって“普通の”家だったそうだ。
真新しいもの、飛びぬけて素晴らしいものは、そうそう簡単には見つからない、と著者の感想。
それを、観ている者に、素晴らしいと感じさせる渡辺篤史は、すごい人だと言われる。
なるほど 気が付かなかった。