ことし第8回木曽川学セミナー:
「万里集九の江戸と鵜沼」
講師:岐阜大学教授 森田晃一先生
1428年生まれの漢詩文学者・万里集九の話しである。
江戸に生まれたが 平安の京都で学ぶ。
応仁の乱期には都を離れて、近江、尾張、美濃(鵜沼)で寄寓を重ねた。
その後 5年間ほど江戸城主の太田道灌に召されるも、
晩年は鵜沼に戻り「梅花無尽蔵」という庵を構えた。
同名の漢詩文集「梅花無尽蔵」全7巻を編み、
1451首の漢詩と、雑文(散文)111編を遺している。
先生は八曲一双の「江戸名所図屏風」のスライドを映しながら、1485年ごろの名所、庶民の暮らしなど江戸の様子を説明された。
江戸には神田川、隅田川や まちなかの川(運河)の風景が描かれている。
それに較べ、鵜沼は 北は山が豊かで、南は大きな川(木曽川)。
春、雪解け期には 大きくもきれいな波が形作られ、それは見ていて飽きない風景がある。
木曽川流域は、こんなにも多彩な環境で 豊かな文化が育ってきたことを 教えて下さった。