この著者の本は 今までに何冊も読みました。
本書は自伝なので、生き様というか、どういう考え方を持って生きてきた人かが、よくわかりました。
強い信念を持って、本を書かれてきたのは言うまでもありませんが、この自伝でふたつのことに感心しました。
ひとつは、日本人が豊かさの中で見失ったもの。
それは画一的な思考や希望を持つようになったこと。
人と違ったことをしなくなった、と言われる。
もうひとつは、
著者・曽野綾子さんは皇后様とも、よもやま話ができ、
また アフリカ難民の栄養失調の子どもにも手を差し伸べるちからがある。
80年間の生活で これほど多くの実体験を経験された方も、珍しいのではないか。
目の病気、膠原病にかかられるという、
恵まれたことばかりでの人生では無かったようです。
それでも、作家としてやり残したことは一つも無い、と言い切れる人生を過ごされた方。
日本女性の鏡です。
【写真】曽野綾子・著 ワック㈱発行
『 曽野綾子自伝 この世に恋して 』
2012.12.27.初版発行 @1400e