~普茶料理教室に参加して~
岐阜県の兼山に普茶(ふちゃ)料理を教えてくださる料理教室がある。
普茶料理というのは、中国の黄檗寺院内で用いられた精進料理である。
隠元禅師が長崎に渡来した時(1654年)お伴して70名の中国僧がやって来た。 その時の彼等が長崎にもたらした普茶が全国へと普及していった。
代表的な料理、ゴマ豆腐。
皮をむいたゴマを炒って、大きなすり鉢でドロドロになるまでに一時間くらいすり、吉野くずで固めたもの。どの料理も手間ひまかかる。
先生は季節の料理を主として、現代風にアレンジして調理したものを教えてくださる。
色彩の取り合わせにも工夫を凝らし、皿数も一汁七菜と豪華である。
先生のご主人は陶芸作家。素敵な器に盛り合わせ、テーブルコーディネートされ、目も舌も美味しい。
現代風の手軽な食事もいそがしい主婦には捨てがたいが、時にはゆったりと江戸時代的なスローフードを楽しむのも心豊かになる。