15歳で熊本の郭に売られてきた少女イチが、一人前の娼妓となっていく物語。
同じ女の子なのに、貧しい家に育ったというだけで 哀しい仕事をさせられる。
このような世界は どんなものか 想像もできない。
・・が、救われるのはこの主人公イチは 郭の学校で活き活きと学んでいること。
また その教師が人間的にすぐれた人で、遊女の生活を理解して教育していること。
イチが遊女となって世の中のことを知り、人間らしく生きていくのが頼もしい。
読んでいると 応援したくなる。
この本の中の遊郭「東雲樓」は 熊本で実在していた とか。
著者の村田喜代子さんは、わたしの好きな作家でもあり、読み応えのある小説だった。
【写真】 村田喜代子・著 『 ゆうじょこう 』 新潮社・刊
2013.4.25.発行 @1800e