知人は「これからロクロをやってみたい」という。
わたしが湯のみを挽いているのを見てびっくりしていた。
手びねりで作れば何十分もかかるが、ロクロではわずかな時間でできてしまう。
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わたしもロクロを始めたころ、友人に連れられて、常滑の作家を訪れた(桧原窯の、今は亡き大迫みきお氏)。
先生は1時間に湯のみなら50個くらい挽けると言われ、わたしにはうそのように思えた。
実際に先生のを見てみると 嘘ではなく、魔法のようだ。
しのぶ竹(忍竹)という竹の「忍釉」を使った作品は、優しい色合いで和食器としてすばらしい。
とくに先生の まな板皿は最高。
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わたしも茶わんを作らせていただいた。
後日 先生の手が加わり、送られてきた。
おだやかで 教え方の上手だった先生。
新聞紙上で知った先生の訃報。
あれから10年にもなるか・・。
【写真上】わたしがロクロを始めたころの「忍釉茶わん」。
故・大迫みきお氏の手ほどきを受けながら作った茶わん。
【写真下】故・大迫みきお氏作「忍釉盃」・桧原窯。
函書き、しおりもなつかしい。いまも大事にしている。
渡辺淳一・著『人間も偽装が好き』・・あとの祭り・・
2008年7月25日 新潮社刊。
“なぜ自殺してはいけないか”という著者の説・・。
“自殺は間違っている”との諭し方は、医者でもある著者・さすがに感心させられる。
こういうのを発想の転換というのだろうか。考え方に脱帽。
“命の尊さ”を教えるとともに、身体はどのようにつくられ、日々いかに懸命に働いているかを知れば、「死のう」という気持ちは無くなるという。
自分の心臓や血管や 身体の隅々の細胞が、これほど休み無く日夜働いているということに、いちいち気にはしていなかった。
確かにこういうユニークな説得の仕方は 力をもっている。
作家で医師である著者ということが、このような説得の仕方ができる。・・すばらしい。
多感な中学生の孫娘たちに、否 皆にぜひ読んでもらいたい。
【写真】渡辺淳一著『・・あとの祭り・・人間も偽装が好き』
2008.7.25.発行。新潮社発行。@1300E「週刊新潮」連載エッセイ「あとの祭り」の加筆改題版。
秋色の似合う花器を三種類作ってみた。
ひとつは、黒ミカゲ土を使って筒状の花器を作り、その一部に切り込み入れる。
つるで編み上げ「陶とつる」のコラボレーションにしてみた。
かけ花は、インドネシア製のタペストリーに掛けてみたが どうでしょう・・。
15センチの高さで少し変わった形に作陶した花器は、真っ白にした。
秋色の どんな花がぴったり合うかしら。
関宿の帰り道、少し遠回りして、パラミタミュージアム(三重県菰野町)に寄ってみた。
人間国宝:江里佐代子展・・華麗なる截金の世界・・開催中。(12月25日まで)
はじめて見る截金の工芸は、日常生活とはかけはなれた優美の世界です。
こんなに美しいもの(伝統工芸)を見せてもらって、少しだけ豊かになった気がした。
残念なことに人間国宝保持者の江里佐代子氏は、平成17年仕事の旅帰りフランスで帰らぬ人となられたことを知った。
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お庭(パラミタガーデン)には 秋の茶花(ホトトギス、アザミ、シラネセンキュウ、・・)が彩り、自然とアートを楽しませていただいた。
いつ訪れても、くつろぎと優雅なひとときを味わうことができる美術館。
関宿の名所「関の地蔵院」には、女性のお地蔵さんがおられる。
天平13年(741年)行基菩薩の開創とか。本堂、鐘楼、愛染堂の三棟が国の重要文化財。
境内には大勢のお地蔵さんが並び、取り巻いておられる。
「関の地蔵に振袖着せて、奈良の大仏婿に取ろ」と俗謡にある。
「一番べっぴんさんのお地蔵さんは どれかね」との、
「鍛冶屋さん」の奥さんの話しに笑いました。
さて お似合いのお地蔵さんは・・??
関のお地蔵さんは、地元、近郷はもちろん、東海道を旅する人々からも信仰を集めた。
いまでも多くの参拝客でにぎわっている。
今日は上天気。 思い切って、小さな秋を見つけにドライブ。
行ってみたいと思っていた、東海道五十三次のうち「関宿」三重県亀山市へ。車で1時間と少しで到着。
道の駅:関宿でレンタル自転車を借りて、宿場の町並みをサイクリング。
気温もちょうど良くて 心地よい風を受けて気分も最高。
関宿。 きらびやかな店も無く、落ち着いた町並み。
東西の追分の間は1.8キロメートル。旧い町屋200軒あまりも。
自分が子どもの頃にはどこにもあった「鍛冶屋さん」の名残りも見られ、この町並みはなつかしい。
関宿旅籠玉屋(歴史資料館)は 歌川広重が東海道五十三次「関宿」に描いた当時に修復された。
当時の旅籠の部屋や、食器、生活道具なども展示され、興味深く見せてもらった。
最近親しくさせていただいている方は、ハンドバッグ作りが趣味。
その作品を見て「こんなに上手にできるのか」と びっくり。
わたしはバッグやカバンは、工場で特殊な機械で作るものと思っていた。
特殊な工業用のミシンでしか縫えないので、
先生のところに出向いて、教えてもらいながら制作しておられる。
「わたしも欲しいなぁ」とつぶやいたら、
「いいよ」と。 ラッキー!!
「この素材を使って この型に」と わがまま言ったけど、出来上がり、大いに満足。
大切に使わせてもらいます。
3年くらい前に、2、3株植えた。
今は2坪ほどの場所にいっぱいのコスモス畑が拡がってきた。
なぜか茎がどんどん大きくなりすぎたので(3メートル以上にも!)、
もう花は付かないと思っていた。
一週間くらい前から咲き出し、今朝は目の前いっぱいのコスモスだらけ。
平屋で築40余年の日本風の家、風景に溶け込んでいる。
太いが背丈が長すぎて倒れてしまった。
それでも茎の途中から根を出して また立ち上がってきた。
なんて強いコスモスよ!!
あまり手入れのできない、否 しない、わたしにぴったりの、よい花ですこと・・。
出先でお昼に寿司を食べに行った。
手軽にということで回転すし屋さんへ。
回転すしは いつごろから流行ってきたのか・・。
何年か前に 韓国人のCさんを連れて行ったら、驚いていた。
その1、2年後 韓国でも回転すし屋ができたそうだ。
「でも 日本のより 早く廻るのよ」と笑っていた。
にぎりのごはん(シャリ)の重さは、ネタにかかわらず「うちでは寿司一個18gで作ってます」と店員さんから聞いた。
米粒にしたらおよそ360粒くらいか・・(そんなにあるかなぁ)。
こんなこと気に留めたのは 初めてだった。
2007年12月より ほぼ毎日ブログを続けてます。
60代半ばのごく普通の主婦が何を考え、何を支えに、老いに向かって生きてくかを書いてみたかった。
同世代の人に「見てね」と言っても、ネットは「やってない」という人が多く、また「コメントなんて無理よ」と言う返事が返ってくる。
いままで何度も止めようか、と思った。
『ブログ進化論』「・・・なぜ人は日記を晒すのか・・・」
岡部敬史・著 講談社2006年・刊
この種の本は何冊か読んだが、一番わかり易かった。
著者の本を読んで、続ける勇気が出た。
もっと早く読めば良かったなあ・・。
(この本を買ってから一年くらいは積んでいた・・。)
【写真】岡部敬史・著 講談社・刊
「『ブログ進化論』・・・なぜ人は日記を晒すのか・・・」
講談社+α新書 295-1 C @800E 2006.4.20.第1刷発行