『 名作の書き出し ・・漱石から春樹まで・・』
石原千秋・著 光文社新書
本書では 作家15名の代表的な小説を、どう読んでいったら おもしろく読めるか、が書かれている。
わたしは その中で漱石の『それから』が気になった。
高校生の頃 読んだと思うが、主人公の「三千代」という女性の名前は覚えていた。
今までにどれだけの本を読んだかわからない。
本書によると「自分だけの物語」だと思っているが、実は、そのほかにも物語がこっそり隠されていて、それを見つけ、読み解くのがおもしろいという。
なるほど、この『それから』も、代助と三千代の恋の物語でありながら、実は遺産相続にかかわるテーマ(家庭崩壊する物語)が書かれているということ。
さすが著者は 深い読みをされる、と感心した。
【写真】『名作の書き出し・・漱石から春樹まで・・』 石原千秋・著 光文社新書 光文社・発行。 2009.9.17.発売。@861
昨日のクラフト展(そうだがや)。
アクセサリー用の 毛糸を買った。
毛糸屋さんが「この2種類の糸を 鎖で編むだけでよい」と言われた。
ステンドグラスの作品のところで、
キノコの型のペンダントヘッドを売っていた。
両方 合わせたら、わたしだけのネックレスが出来上がった。
毎年 いまごろの時期に、クラフトフェア「おもしろそうだがや」が開かれる。主催は「クラフトマンの会“そうだがや”」だが、城下の各町内のまちづくり・発展会が共催参加する。
初めのころは この近くのクラフトマン達の出店がほとんどだった。
最近は 地元よりも 遠くからの出店者が多くて びっくり。
わたしのお気に入りは、岐阜市からの糸屋さん(毛糸・原毛)。
ことしも お買い上げ。
いちばん好きなのは「遊木」と名づけられた お店。
木と漆の手びねりで お盆や器を作ったもの。
先日も テレビで放映されたと聞いた。
作者もわたしと同年代。 笑顔のきれいな女性。
はるばる白馬村からの出店で、それは それは すばらしい作品の数々でした。本日は予算上買えませんでしたが、いつかは欲しいもののひとつです。
年を重ねるごとに 楽しさの増すクラフトフェア・・。
(継鹿尾山寂光院。もみじのトンネル 300段の階段で本堂へ)
そろそろ紅葉してるかなぁ、と買い物の帰りに寄ってみた。
もみじ寺 継鹿尾山 寂光院。
土曜日の午後(朝は 雨が降っていた)。
紅葉はまだ少し早いが、人はいっぱい。
階段300段上がると本堂。 市内の絶景が見られる。
この寺は「尾張のもみじ寺」と言われ、この地方では名高い。
今年は もみじ寺の紅葉 見ました・・。
ところで 今頃の季節、「もみじ狩りに行く」と言いますが、
「狩り」は獣を捕らえる意味で使われていたものが、
草花を眺めたりする意味にも使われることから、
「もみじ狩り」と言われるようになったという説がある・・。
(寂光院本堂展望台。犬山城、名古屋の高層ビルも一望できる)
若いお母さんたちの 陶芸教室。
先月は 台風でお休み。 二ヶ月ぶり。
先回の作品が 出来上がっていた。
ひもで作った角鉢(20㌢正方形)(Mさん作)が人気でした。
今回、手ロクロに挑戦して、茶わん作りをしたいとの希望。
粘土を馴染ませる段階で、徐々に拡がり 形がくずれていってしまった。
茶わんが 鉢の大きさになったが、まあまあ きれいな仕上がりで、教えるほうも ほっとした。
そのほか しゃもじ立て、長方形の皿、角鉢など、
個性豊かに 出来上がり・・!
何年も前に、友人からお土産にいただいた、福岡県柳川市の名産「柚子こしょう」。
それ以来、ずーっとこれを使っている。
藤田みどり・著『北鎌倉のお庭の台所』(主婦の友社)を見ていたら、柚子こしょうの作り方が載っていた。
著者は、マヨネーズに混ぜる、と言われる。
今夜は“おでん”なのに・・・。
でも、マヨネーズに柚子こしょうを混ぜて、大根や里芋に付けて食べたら、洋風になり おいしい・・!
高校生の孫と わたしは 気に入った。
わが家の庭も 今、柚子の実が たくさんぶら下がっている。
作ってみようかなぁ。
(マヨネーズに柚子こしょうを混ぜて・・)
名古屋市博物館で「妙心寺 禅の心と美」展を見てきました。
禅を通して悟りを開く妙心寺の教えは あまりわかりませんが、信長、秀吉、家康などの武将の篤い信仰心のせいか、わたしの住む中部地方には、妙心寺派の寺が多くあり、日ごろ少しは身近に感じている。
仏像、屏風絵。 名品は見ていると知的な感じがして、すごーぃ世界だなぁと思う。
一番、見て飽きなかったのは「山水楼閣人物図 螺鈿引き戸」。
わたしは螺鈿細工が好きなので、この夜光貝の薄片を貼ってある引き戸に惹かれた。 これは寺の正堂と方丈を仕切る引き戸に使われていたとか。
もうひとつ 「七丈袈裟」。14世紀のものらしい。
袈裟は僧が羽織る長方形のもので、幅が七つに分かれるものが七丈、九つに分かれるものが九丈袈裟と呼ぶらしい。
おそらくこれは夏物で、布地は麻チョマだと思う。 この頃からも チョマは自然素材として活躍していた。
すこし擦り切れたところもあるが 長い間 耐えている。
よく 残っているものだ。
秋雨の中、多くの見る人で にぎわっていた。
アスパラガス。 多年生草本植物。
初夏に 次から次へと 芽が出て成長し、よく食べました。
昨日、ふと アスパラガスを見ると、
赤い実がいっぱいついていて、びっくり!
実が生るなんて知りませんでした。
友だちに聞くと、雌雄異株で、秋に実が生るのが雌株で、
雄株は実が生らない、と。
野菜の実も きれいです。
森のマーケットで わたしの作ったお地蔵さんが 人気でした。
朝一番に 中年の男性が見て、「僕も陶芸をやっている」と言って「この地蔵さんはいいねえ」と。
「どうやって作ったの?」と聞かれた。
それから また30~40代くらいの男性にも「これ 分けてくれませんか」と言われた。
夫の友人にも「これ いい顔してる」とほめられていたので、差し上げたら 「玄関に飾って 毎日 ながめてるよ」と言っていただいている。 男性に人気がある。
古くから 人は、願いごとがあると、十のご利益があると伝えられるお地蔵さんに、手を合わせ、祈りをささげてきたそうだ。
わたしは 友人の「こんなの作ってみて」と絵を描いていったことから、自分で工夫して作っている。
みなさんに「可愛いい」と言っていただけるのが励みで、
懲りもせず作陶している。
(わたしのお地蔵さんは、身体と頭を別につくって 合わせる。)
福井貞子・著 『 木綿再生・・ものと人間の文化史 147 ・・』
法政大学出版局・刊
本書を読み出したとき(BLOG 11月7日)、佐々絣(さっさかすり)に出会い、驚きから さらに『木綿再生』を続けて読む愉しみが増えた。
著者が結婚し、並々ならぬ苦労をし、通信教育で教師の資格を取ったこと。また、大姑に絣を織る手ほどきを受けながら、伝統のある木綿を守ってきた、という人生遍歴は、読んでいて感動した。
自分より十年の年の開きのある女性。
重労働、男尊女卑のまだ残る時代、このように家族もろとも衆目にさらされるのは、よほど勇気の要ったことと思う。
日本伝統工芸展、その他 数々の賞に入選されている。
その間には きびしい修行と多くの涙が流されていた。
本書は著者の自伝であり、本書こそ「ものと人間の文化史」にふさわしい一冊。
今また 世の中「絣」に興味を持つ人が多くいる。
わたしも2年ほど前、母の着物から 藍と白の織りに惹かれ、ブラウスを作ってもらった。
(母の着物から作ってもらった ブラウス)
【写真】福井貞子・著 『 木綿再生・・ものと人間の文化史 147 ・・』法政大学出版局・刊。2009.2.18.初版第1刷発行。@2700e