アーカイブ: 2009年11月29日

「ソメイヨシノ」河川土木工事の助っ人。

パーマリンク 2009/11/29 11:53:58 著者: モリゾー
カテゴリ: 五条川の四季


 サクラと言えば「ソメイヨシノ」。

 江戸後期に下町・染井に生まれた「ソメイヨシノ」は園芸品種。
 オオシマサクラとエドヒガンの一代交配種。
 開国機運、維新・文明開化、お花見風俗の上昇気流に乗って、あれよ あれよのうちに「花見」「サクラ前線」の代名詞に上り詰めた。ウメ(梅)、キク(菊)をさておいて、「国の花」並みの特別待遇。

 花に実は付くが、実生はむつかしい。
 もっぱら接木、挿し木で苗木の大量生産がなり、日本中に広まった。つまりはクローン種だから、地温気温、湿り気など条件が整ったとき、どの木もいっせいに開花する。
 これぞ クローン種の真骨頂。

 江戸後期。 出島で作った人工島・・吉原。
 中州ふうに回廊を盛り土して、人の往来を誘導し、規制した知恵者は、盛りり土を固めた堤防を より強固にするため、ソメイヨシノを植樹する。
 「お花見」を はやしたてて、人を呼び寄せる。
 人出の足の裏で踏み固めさせ 土木工事を完成した。

 花見の足裏固めは、諸国の治水・堤防工事の裏技として普及し、河川改修したら、競って ソメイヨシノを植える。
 工事の仕上げは「花見の賑わい、お足の裏」が、この国の治水工事の定番となった。

 ソメイヨシノも 樹齢60~80年で寿命、といわれる。
 幹も根も空洞化して朽ちる(芯材腐朽)。上品な花だが、足腰は弱い。
 幹が朽ちて消える頃、土中の根っこも土に還る。
 踏み固められた土中で、空洞をつくるから、
 河川管理者は堤防強度の維持対策を手抜きしないように。
 見た目に強固な堤防も ひとたび増水したら 水のチカラで崩壊する。

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地域HP犬山羽黒「ブログ塾」塾生記。晴耕雨読に暮らす。 野良仕事こそ、cultivate耕やす文化(culture)という。

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