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23 民主主義と議会改革についての提言

  この提言は私の今までの政治経験の中から、大きく言うと日本の民主主義の成熟のためにはどうしても声を大にして言わなければならないと考えていることである。
  それは議会改革だ。
  そもそも民主主義というものは、主権者である人々の代表として議員を選び、その議員に政治や行政のガバナンス(統治)を任せることから始まる。
  「議会制民主主義」と呼ばれるゆえんだ。
  それは前にも日本国憲法の書き出しに触れて言った。だから議員活動をする制度に問題があれば、それはできるだけ速やかに是正しなければならない。たとえば、一票の格差問題などはその最たるものだと考える。              
  国会議員になって、国会に期日が決められていることにまず疑問を持った。これは以前から識者も指摘するところだが、通年国会といって、会期を決めず国会は一年中開会しているべきだ。トヨタのジャストインタイムみたいに厳密に会期をきめるから与党と野党の日程闘争がはじまる。与党は会期内に法案を通そうとするし、野党は通させまいとする。法案の中身の政策議論より、通すか通さないかの力比べになってしまう。あるいは、与野党妥協するため、いわゆるアンダーテーブルでの談合で決着を見る国対(国会対策)政治になる。私たち新人議員は議論から全く蚊帳の外、一部の役職者だけで政治が動く。相も変らぬ国民不在の密室政治をいやというほど見せつけられた。
  結局国会は多数決至上主義、数の論理の支配する所である。時間をかけない即席のファストフードをもじって、ファスト民主主義といってもよく、最近言われだしたスロウ文化としての熟議の民主主義なんて言うのは程遠いほど遠い。
  国会の改革はさておく。
  問題は地方議会である。私は東京財団の研究員としてスエーデンのストックホルム議会を視察したとき、まさに目から鱗が落ちた。まず選挙で議員が選ばれる。そして選ばれた議員の中から互選で一番有力者が議長になり、その議長を中心に行政の執行組織を作る。地方議会も「議院内閣制」だ。その執行委員会の中から市長及び行政の各部長を作る。そしてその議員による執行委員会が予算も作る。この方式は日本の中央政治と同じで、いわゆる「一元代表制」といい欧米先進国ではこの方式が主流である。
  今の日本の地方議会は「二元代表制」といい、長と議員が別々に住民から選挙される。
  この「二元代表制」は今の名古屋市がいい例で、長と議会が徹底して対立の構図になる欠陥を構造的にはらんでいる。私は「一元代表制」の方が権力の構造が明らかになり主権者から見てわかりやすいと思う。
  更に大事なことは、議員が予算を作ることである。住民代表が皆さんからいただく税金の使い方である予算を編成できなくって、真の住民代表といえるだろうか。
  私は愛知県議会議員の時、政策論議はすれども結局予算編成にかめないことに常に腹膨れる思いを託ってきた。犬山市長の時、議会は予算も作らないで無責任なことばかり言い、お気楽な稼業だなと思ったものだ。
  地方議会の改革を私は地方から国会議員になって心から感じた。それは民主党という野党が政権を取って与党になり、内閣を組織し、自らのマニフェストに従い予算を編成し、行政を執行するさまを現実に体験したからだ。地方もこうすべきだ。