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はじめに



はじめに

  「父から息子への手紙」というタイトルで、自分史を書くにあたって

  そもそも自分史なるものは、過去を振り返り、自分自身の人生をもう一度確認するものだから、別に公にする必要はないと思っているが、私は長年議員とか市長という、いわゆる公職人生を送ってきたので、こういう人生を送る者の考えかたや人生観について、世間の皆さんにお話しするのも一つの役割ではないかと思い、自分史を書く気になった。
  一方「父から息子への手紙」というタイトルだが、息子に自分の人生を語り、率直に赤裸々に父の生きざまを息子に話すことによって、自分をごまかさないようにしたいと思ったからだ。
  私は、政治家として、教育行政に最もプライオリティーを置いて仕事をしてきた。教育という行為の基本は、親から子供に自分の人生を語ることではないだろうか。最近の親たちは教育を行政に丸投げしてしまって、何でもかんでも学校のせいにしがちだが、基本は親だ。特に父親が子供に、仕事についてではなく、人生について語るべきだ。私はこの自分史において、私の人生にかけた夢や挑戦や、そして失敗や挫折と苦悩についても語ることが、父から息子への一番の教育だと信じる。人生はむしろ失敗からどうやって再生するかの物語だよ。

  私はかれこれ20年前から、ふるさとの「犬山祭保存会」の会長を務めさせていただいている。犬山祭は国の重要無形文化財に指定されている日本の伝統的な祭りだ。すべての日本の祭の基層に流れる思想は氏神様・産土神様という先祖への畏敬の念である。そして、この思想によって日本社会の地域共同体は成り立ってきた。だからこの仕事は誠心誠意努めたいと思っている。
  最新の近代科学の世界でも、生命体の遺伝子は代々継続を続けるという。遺伝子というハードウェアーのみならず、親の思い、祖父の夢、またまた先祖の希望というソフトウェアーも代々継続し続けるものだ。
  ここに「父から息子への手紙」の意味も位置づけたい。