「私が住んでる春日井市でも、キクイムシの被害が出ているようです(;」
「黙ってそのまま木が枯れていくのが忍びなくて、なにかしたいのですが・・」とのコメントをありがとうございます。
(樹木医とか森林インストラクターでもなく、里山をこよなく愛する素人の、耳学問のウンチクと読み流してください)
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ナラ枯れを引き起こしているのは、「ナラ菌(病原菌)」。
(カビのようなものと想像してますが)
ナラ菌が樹木内に拡がって、樹が水切れ状態に陥って枯れる。
カシノナガキクイムシ(カシナガ)は、
枝葉へ水を吸い上げる、幹の皮のすぐ下の導管(水の通る細胞の管)よりも、もっと幹の芯材のほうにアリの巣状の居住区をつくって繁殖する。
ナラ菌の媒介運び屋が、カシノナガキクイムシ(カシナガ)。
このカシナガ・キクイムシの繁殖力が、旺盛。
カシ・ナラ類の健全な木が好物のようで、
いまでは20府県以上・1500ha以上が被害を受けて、まだ拡がっている。
体長数㍉の成虫や、その幼虫にも、天敵があると思うが、なにせ立木の幹の中に居るから限られよう。
【ナラ菌・カシナガ被害の見つけ方】:
立ち枯れに至っていないが、「カシナガのキクイムシが飛来して、どの樹に取付いたか。穿孔して樹を痛めつけはじめているか」を早めに見分けるには、
カシナガ・キクイムシが穿孔した木くずや糞が(おがくずのように)樹の根元に溜まっている。
昨年の夏、東大演習林(犬山)で学習視察させてもらった現場では、根元から人の背丈までくらいの胴回り数十か所に穿孔があり、根元に木くずが溜まっていた。
その樹はもう手遅れで、やがて水不足で立ち枯れを待つのみ。
(2010.8.17.撮影。春日井市の グリーンピア春日井にて。苔むすほどの大樹の幹にも木くずがこぼれ、すでに”真夏の紅葉”)
【被害を受けている樹を救うには】:
殺菌剤(ベノミル水和剤)を孔あけ・注入して、ナラ菌とキクイムシのえさになるナラ菌が出す酵母を殺菌する。
ただ、木くずがこぼれて見つかった時点で措置しても、助かるかどうか・・。
【特定の健全なカシ・ナラ類の樹木を護るには】:
飛来しやすい春~夏~秋に、
「根元から人の背丈ほどまで、幹をまるごとフィルムシートでぐるぐる巻きしておく」「
殺虫剤(フェニトロチン)+粘着剤を、まるごと塗りたくっておく」などの策があるとか。
公園・庭木のカシ・ナラはできても、里山、奥山では難儀なこと。
【被害を広げないためには】:
ナラ枯れした樹を伐採して焼却するか、
ナラ菌・キクイムシの着いた丸太を、殺虫剤の水槽でドブ漬け殺菌する。
これも、手間ヒマ・コスト的にも 困難な難題。
カシノナガキクイムシ(カシナガ)の被害=「ナラ枯れ」の駆除・防除の対策は、”松くい虫”の被害と同じように、防除・駆除は難儀のようです。
*** ナラ枯れ被害 by 林野庁 ホームページ ***
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/naragare.html