アーカイブ: 2010年8月18日

ナラ枯れ -3- ”キクイムシの暮らし”

パーマリンク 2010/08/18 00:45:06 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

 東尾張~東濃~西三河の里山に拡がる”夏場の紅葉”。
 「ナラ枯れ」と言われるキクイムシ被害。

 枯らしているのは「カシノナガ キクイムシ(カシナガ)」
 体長 数㍉のキクイムシが、
 ナラ菌という病原菌を運び、
 元気な樹木に孔をあけて入り込み、菌を繁殖させる。

 カシナガは その菌の酵母を食べて自給自足するらしい。

 高温の入梅~梅雨明け時の、風に乗って飛び出して、
 数百㍍~数㌔ほども先の、元気なコナラ・クヌギの樹へ。

 丈夫なくちばしで、表皮から穴掘りして、
 芯材近くで卵を産み付ける。

 孵化した幼虫は やがて羽化して、親のお手伝いをする。
 縦横にトンネル網を張り巡らして、家族を増やす。

 表皮のすぐ下の導管(幹の水を送るところ)の破壊がすすむと、樹木は水不足で立ち枯れとなる。

 カシナガ・キクイムシの繁殖が激しい梅雨明け時に、立ち枯れするものが続出して、まるで”夏場の紅葉”となる。

 中央自動車道、東海環状自動車道から見える里山にも、このごろめっきり被害の山が増えてきた。

 冬場の穴掘りは苦手のようで、冬を越した家族は、翌年の梅雨時に、新しい樹木を求めて飛び出し旅をする。

 
【写真上】カシノナガキクイムシの成虫標本。出典:三重県樹木家会サイトから
【写真中】キクイムシに穿孔された立木断面図。出典:同上。
【写真下】ナラ枯れの被害拡がる。東海環状自動車道下り線 せと品野IC附近。

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地域HP犬山羽黒「ブログ塾」塾生記。晴耕雨読に暮らす。 野良仕事こそ、cultivate耕やす文化(culture)という。

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