「北方領土に攻撃用ヘリ配置~ロシアが計画~」
こんなベタ記事が 2011.2.11.日経朝刊6面(国際面)最下段に13行で報じられた。
その内容は抽象的で なにか刺激することをおそれている風情ありあり。
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しかし今はネット情報が豊富で(記者クラブ系テレビ・新聞の既成メデイアに頼らずとも)いろいろ情報があふれている・・。
インターファクス通信の、ロシア国防省、ロシア軍マカロフ参謀長の表明からは、北方四島の軍事要塞化促進の意思が強い・・:
* 択捉島に4000㌧級岸壁の建設。国後島に3400mの滑走路を持つ基地建設、自動車化し高速移動を可能な戦車隊増強、対艦ミサイル配備、射程30km級防空システム配備、そして「攻撃用ヘリ・輸送用へりの配備」など。
* (2010.9.7.尖閣諸島中国漁船侵犯事件への日本政権の対応力の足元を見極めたかのように)2010.11.1.メドベージェフ・ロシア大統領が北方領土・国後島を視察。
* その後、第一副首相、国防次官、地域発展相とつづき、2011.2.4.セルジュコフ国防相が択捉・国後島を視察。
* 2011.2.10.ロシア国防省が上記の国後島・択捉島に関する軍事要塞化を表明した。
2月11日(12日も)前原外相がモスクワでラブロフ外相と会談するも、1945年8月ソ連軍が進攻・占領したもので、敗戦国ニッポンは主権を放棄したもの、との主張を譲らなかった。
日本ロシア間には、戦争を終結させる「平和条約」は未だ締結されていない。
2006.8月、ときの麻生首相が訪ソしたときに二島先行返還など協議再開の兆しがあったが、帰国後の国会で「ロシアの不法占拠がつづき・・」発言で、ロシアは硬化、協議再開は霧消した。
その後「北方四島の産業開発・経済開発に日ソ両国が一緒になって開発しよう」とのサイン発信がうかがわれたが、2010.9.前原外相の「北方四島は日本固有領土で”領土問題は存在しない”」発言、2011.2.7.菅首相の「ロシア大統領の国後島訪問は”許しがたい暴挙だ”国会発言が、前原外相のモスクワ訪問の手土産となってしまった。
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3年間余で首相の顔が5人も入れ替わるニッポンに、いまは敗戦国ニッポンと「平和条約締結の交渉相手は居ない」とロシアは認識していると、ロシア通(元外務省欧亜局長東郷和彦氏や、7年間も駐日ロシア大使を務めたパノフ氏)は嘆く。
ロシアはまた、北方四島の産業振興・経済建て直しに中国・韓国の投資を歓迎する とも、あからさまにこの時期に公言する。
「北方四島の産業開発・経済開発に日ソ両国が一緒になって開発しよう」とのサインは、いまも本音では願っている・・と思われる。
現政権発足後も、外務省筋などから「新しい、独創的な外交・通商・経済手法を編み出して」「日本が参画して欲しい」と、(素人には)聞こえるが、現政権・与野党は、政局の減点・罰ゲームにお忙しい・・・。
いまは聞きたくても聞き出せないところに匿われているが、元・衆議院外交委員長・鈴木宗男氏の情勢分析・外交術も聞いてみたい・・。
【写真】上:日本経済新聞2011.2.11.。下:jijicomより。