§むかし むかし ・・・ おじいさんは柴刈りに・・・
敗戦後15年ぐらいは、寒の入りから立春までの農閑期に、
毎年 そだの里山へ 柴刈りにでかけた。
男の子は 毎日、学校から帰るなり、庭で薪割りをするか、
柴刈り山へ出かけて、束ねを手伝い、山積みした大八車を押した。
家路に向かい風の、伊吹おろしに泣かされた・・日課。
薪炭用粗朶(そだ)山、水田鋤き込み肥料用落ち葉掻き山。
クヌギ、アベマキ、コナラの柴刈り山。
ここの荒れ方はもっとひどい。
木の実、若木若芽、腐葉土土壌の虫もなければ、
熊、鹿、イノシシ、サルたちには、えさがない。
やむなく、ヒトが勝手に育林を放棄した人工林のくぐりぬけて、
水田、果樹地、畑地の人里、人家まで出かけなければならない。