アーカイブ: 2013年4月29日

4月28日 主権回復の日

パーマリンク 2013/04/29 14:12:52 著者: y-ishida2 メール

政府は昭和27年4月28日をもって、国家の主権を回復したと言っているが、私は沖縄の主張が正しいと思う。沖縄を日本の領土だと思うなら、今日は決して主権回復の記念日ではない。
この日、「戦争と一人の女」という映画を撮った井上淳一監督が名古屋へ来た。井上さんは犬山の出身であり、滝高校卒業というから応援する気になった。原作は坂口安吾の「白痴」いわゆる戦後混乱期のデカダンス。戦争とエロティシズムというか、戦争という殺戮行為で精神が破壊された男女の物語。落ちるところまで落ちた人間の生き方を描き、強烈な反戦のメッセージと受け取った。井上監督曰く、坂口安吾のテーマなんかを扱うのは30年ぶりぐらいではないかと。成程そんなものかと今更ながら、時代の価値観の変遷を思った。私も、井上監督も戦後生まれだが、この映画が出てきた今の時代背景に何かを予感する。
キャスティングもいい。プロデゥースの元文科省官僚寺脇研さんと、抜群の演技派俳優坂口安吾役を演ずる長瀬正敏さんにも会って、懇談した。最後の死ぬ場面を撮るために4日間絶食し7キロやせたという壮絶なエピソードに役者魂を知った。この映画を見た人の感想を聞きたいものだ。
この日もう一か所のイベントも面白く過ごした。岐阜県七宗町の集会に招かれて「山村の自然と共生するくにづくり・まちおこし」と題して講演。七宗は人口4〇〇〇少々の町で隣の美濃加茂市に合併の希望を伝えたものの財政事情の悪さから拒否されたと聞いている。合併しないほうがいい、貧しくとも、経済力だけが幸せの指標ではない、山村の自然に抱かれた共同体の生活に幸福を求めたほうがいいという立場からの持論、「今こそローカリズム(ふるさと主義)」を話した。講演後、主催者の皆さんとまちの食堂のような店で懇親会に加わった。酒が入り大いに盛り上がった。話題は、自然と共に暮らす生活やオラが町の自慢話で、聞いていて心底面白く楽しかった。人口など少なくても住民の絆さえあれば町は十分生きてゆく。逆に、政府や行政の援助にすがるのは後進性だ。この七宗にこそ日常的な自治の実践である民主主義の原点、タウンシップがあった。

4月25日 学力テスト

パーマリンク 2013/04/29 14:04:55 著者: y-ishida2 メール

文科省による、小学6年生・中学3年生を対象とする「全国統一学力テスト」が行われた。
私が犬山市長の時始まった制度で、私の決断で、全国の公立学校中犬山市だけこのテストを実施しなくて話題を呼んだ。民主党政権で全員調査から抽出調査になったものの、自民党になり又戻って、今年全員の調査となった。
まず言いたいことは、このテストは法律でもなんでもなくて、文科省の行政調査に過ぎない。地方分権の時代、自治体の自主判断でどうにでもなる。学力テストといえば、他にも学習指導要領の進捗調査やら何やらかにやら実は子ども達はテスト漬けだ。犬山の場合は、少人数授業を中心とした内発的な諸々の教育改革を重ねてきたので、これ以上テストすることなど不必要と考えただけのことである。
そもそもこのテスト発想は、学力観としてのいわゆる「ゆとり教育」の揺れ戻しから、またぞろ復活した「詰め込教育」(極端かもしれないが体育教科における「体罰教育」)とワンセットになっている。学力調査を競争による統制の手段として使おうという考え方、能率・効率を追求する昔ながらの学力観、相対的比較の価値観である。他と比較することは教育上大問題である。比較の行きつく先は、際限のない不平不満だ。教育の本質は、比較ではなく、ナンバーワンよりオンリーワン、絶対価値でなければいけない。
だから、私はこの全国統一学力テストは無意味と考える。
このテストは毎年何度やってもその調査の結果、教育政策に何が反映されたというのか、どう授業改善に生かされたのか聞いたことがない。中央官僚の紙と鉛筆、今は、コンピューターというのか、机上の仕事、調査と分析だけの典型である。

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