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文科省による、小学6年生・中学3年生を対象とする「全国統一学力テスト」が行われた。
私が犬山市長の時始まった制度で、私の決断で、全国の公立学校中犬山市だけこのテストを実施しなくて話題を呼んだ。民主党政権で全員調査から抽出調査になったものの、自民党になり又戻って、今年全員の調査となった。
まず言いたいことは、このテストは法律でもなんでもなくて、文科省の行政調査に過ぎない。地方分権の時代、自治体の自主判断でどうにでもなる。学力テストといえば、他にも学習指導要領の進捗調査やら何やらかにやら実は子ども達はテスト漬けだ。犬山の場合は、少人数授業を中心とした内発的な諸々の教育改革を重ねてきたので、これ以上テストすることなど不必要と考えただけのことである。
そもそもこのテスト発想は、学力観としてのいわゆる「ゆとり教育」の揺れ戻しから、またぞろ復活した「詰め込教育」(極端かもしれないが体育教科における「体罰教育」)とワンセットになっている。学力調査を競争による統制の手段として使おうという考え方、能率・効率を追求する昔ながらの学力観、相対的比較の価値観である。他と比較することは教育上大問題である。比較の行きつく先は、際限のない不平不満だ。教育の本質は、比較ではなく、ナンバーワンよりオンリーワン、絶対価値でなければいけない。
だから、私はこの全国統一学力テストは無意味と考える。
このテストは毎年何度やってもその調査の結果、教育政策に何が反映されたというのか、どう授業改善に生かされたのか聞いたことがない。中央官僚の紙と鉛筆、今は、コンピューターというのか、机上の仕事、調査と分析だけの典型である。