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10月20日 TPP論議

10月20日 TPP論議

パーマリンク 2013/10/24 08:57:18 著者: y-ishida2 メール

最近懇意になった中部大学の友人三浦陽一さんの依頼で、TPPのシンポジュームのコメンテーターを引き受けた。
10分程度のコメントだが、喋る骨子をまとめてみる。
シンポジュームのタイトルは「TPPのアメとムチ」。パネリストはジャーナリスト岩上安身氏と中部大教授高英求(こうよんぐ)氏。コーディネーターは三浦陽一中部大国際人間研究所長という構図。
まず、私は政治家としての体験談をスタンスにする。そして、国政と地方政治の2つの視点から語る。尚、TPPの本質は、アメリカによる、経済のグローバル化と捉えることを発言の前提とする。

1 私は2009年9月、民主党から衆議院議員になった。TPPの議論が浮上したのは翌2010年3月アメリカがTPPに参入した時からである。6月に菅政権が発足した。直後、菅さんが高らかに「TPPは第2の開国である」と宣言したことを鮮明に記憶している。それには大きな理由があった。そもそも民主党政権はアメリカのオバマ民主党政権誕生に引っ張られる形で政権交代を成し遂げた。ところが、鳩山、小沢両リーダーは、脱アメリカであり、東アジア構想に舵を切った。そこに、沖縄普天間、尖閣問題などが発生、アメリカ、中国双方との関係が不透明、悪化。
一方、日本の官僚組織は徹底した親アメリカ路線(官僚の留学経験はほとんどがアメリカ)であり、国内世論は嫌中国ときた。そこに誕生した菅内閣は心機一転、一気に親アメリカに舵を切ったと私は観ていた。
また私は、菅さんは経団連など経済界に秋波を送ったとみる。それは民主党政権としてこの際、経済界とのパイプが欲しかったのではないか。秋波というと文学的だが、日常用語で言うと経済界に色目を使ったのだ。
実は、消費税論議の前に、このTPPの議論の不整合性が、民主党の崩壊の前奏曲になったと私は思っている。
現在、自民党もTPPで内部は分裂しているが、自民党は党としての縛りが強固であり、民主党はそれが緩いゆえ分裂を生み、党は崩壊した。因みに、自民党は個人より組織を優先し、民主党は組織より個人を優先、と言ってもいい。                2 地方政治行政の経験から。
TPPの本質はグローバルエコノミーであると捉える。グローバルという事は地球儀でものを見るボーダレス、つまり国境とか境界を軽視するという視座であり、国家主権や地方自治という枠組みを重要視しないという価値観と思っていい。 
私は長年自治体とは何か、われわれの生活空間であるまちとはいかにあるべきかを考え続けてきた。
まちづくりでは、法律や規則以上に心の分野、愛情とか誇り、言い換えると歴史や自然環境がまちの文化と個性を形成する。私は、イギリスのチェスタトンが言った「先祖の墓石にも投票権を与えよ」というイメージを支持したい。
個性ある自治体の経営は、境界を限定する、ボーダフルの視点が欠かせない。それにより遠心力より求心力、量より質、ゲゼルシャフト(競争社会)よりゲマインシャフト(相互扶助社会)を形成するまちづくりが可能だ。
具体的に考えてみる。世界一のグローバル都市はわが東京である。が、東京は競争至上主義、グローバルエコノミーの落とし穴に嵌まりつつあると私は心配している。東京都民のGDH・「幸せ度」は国内でも低位にある。私は、現在国家と東京が組んで目指す方向は人間中心主義、神をも恐れない自然征服思想で、持続不可能に思われる。
東京を見て、グローバルエコノミーは「新自由主義のためのドグマ」であるというグルーグマンの言葉に肯く。                   3 解決を考える。
TPPの本質をアメリカによるグローバルエコノミーと捉えるならば、その弊害の対策はもう一度日本という国の成り立ちに戻ることだと考える。
競争社会ではなく、助け合い支え合いの日本的共同体の復活だ。そのためのヒントは、今でも持続している「日本の祭」の再評価である。日本の祭のベースには日本人の信仰心がある。祭に携わる人たちは必ずしも意識していないかもしれないが、経典も教祖もないのに今日まで持続してきた先祖崇拝、宗教とは呼べない習俗と文化に本質を見る。
また、多神崇拝、山川草木悉皆成仏、自然中心思想であり、今で言うエコロジーの宇宙観を体現しているのが日本の祭である。

私はこの際、人間中心の思想から自然中心の思想に転換し、祭りを通して日本人の信仰心と倫理としてのナショナリズムに息を吹き込むことがTPPへの反撃だと考える。

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