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7月27日 映画「選挙」を観る

7月27日 映画「選挙」を観る

パーマリンク 2013/07/30 09:23:27 著者: y-ishida2 メール

5年前だったか題名に曳かれて「選挙」というドキュメンタリー映画を見た。川崎市の市会議員選挙の記録であった。
その映画を撮った想田和弘監督はその後海外の映画祭で数々の授賞をした。そして今回、同じ川崎市の「選挙2」。シナリオもなし、事前打ち合わせも一切なし、一人で現場へカメラを持って出かけ、とにかく映す。計算しない、あるがままの映像から我々は何を読み取るかというのが想田監督の投げかけなのだろう。
私は故郷犬山市を選挙区に6回選挙している。6回とも相手は1人か2人だったから市民は街頭演説に耳傾けてくれた。人口7万3千人規模のまちだから、ほとんどの市民は私を知っていたし、候補者と有権者の反応は肌を通して感ずることができた。しかしこの映画の舞台は川崎市という巨大都会であり、市議会議員選挙となると14人が立候補、投票率も50パーセントを切る。市民のほとんどがしらけているのが画面を通して伝わってくる。
まず、想田監督が、犬山市長選挙のドキュメンタリーを撮ったならまた違う「選挙」になったに違いないと思った。
選挙はそのまちの自画像といってもいいだろう。そのまちそのまちに固有の選挙風景があり文化がある。
川崎市の朝のラッシュ時、通勤客の表情は無関心を越して候補者に対する不快感のようにすら見え、大都会特有の無機質な光景が選挙をカリカチュア(戯画)している。候補者の街宣車や街頭演説や握手作戦が異常な世界を現出する。「選挙」を通じて、砂漠の如き大都会の乾燥を観る。
更に、ドキュメンタリー映画の威力が分かった。駅頭で街頭演説をしている自民党候補が撮影を拒むシーンがある。いかにも自民党政治家らしく、高飛車に撮影者には拒み続け、通行人にはそぶりを見せない。ベテラン政治家の二重人格ぶりを見事に演じる名優だ。かって伊丹十造監督が、役者で一番演技が難しいのは政治家であると言っていたことは思い出したが、政治家役は本職に限る。
映画で主役的な役割をこなす候補者山さんは、事務所も持たず、選挙カーも使わず、選挙費用8万4720円で済ます。スローガンは脱原発。
結果は落選。
世間は政治家が低俗だと批判するが、志の高い人物を当選させないのも世間ではないか。

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