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今月「地域主権」シリーズで、明治村・モンキーパーク・リトルワールドと名古屋鉄道がいわゆるメセナとして運営する3施設の所長と対談した。(「石田芳弘地域主権」をネットで検索しご覧ください)
今日はその一つ明治村の評議委員会があり出席。私は公益法人の評議委員とか理事は経験豊富だが、ほとんど形だけで議論はなく形骸化している。議案の朗読が済むと「意義ありませんか」とシナリオ通り議長発言、「異議ナーシ!」と誰かが機械的に答え、「異議なしと認めこの議案は議決いたしました」で、一丁上がりだ。そんな会議から、先日の全日本柔道連盟のように不祥事が発見できず、隠蔽が進んでゆく。今や評議委員会は決定的に重要になった。
理事会と評議委員会の関係は、丁度首長に対する議会のようなチェック機能だと思う。
とは言うものの、今日の明治村評議委員会もシナリオを読むだけの会議になり、明治村の抱える将来像について何ら掘り下げることはなかった。
明治村のような公益法人の運営は難しい。特に文化遺産というものは維持に多額の資金がいる。株式会社と違いNPOと一緒で、収益を再投資に回すことはできない。運営の面で明治村は名鉄本社に大きな負担を強いている。名鉄という会社は、いわゆるグローバル企業ではなくローカルエコノミーによって成り立つ企業であるだけにいわゆる金融資本主義のような投機的利潤を上げることはできない。私は今後長期的に明治村を考えると持続不可能な気がしてきた。名鉄は明治村の他にこういった公益法人の文化施設を多数抱える。
私は名鉄という企業を最大限に評価している。地域に立脚し、地域に貢献し、地方の財界のリーダー役を務める、倫理観のある企業だと思っている。金融・証券や、あるいはユニクロ・楽天のように地域経済とは関係なく、ボーダーレスに世界中から金を吸い寄せるグローバルエコノミー企業とは違う。
ここで少々荒唐無稽だが、われながらいいアイデアを考えた。それは、明治村を公益法人から一自治体として独立させ、文字通りの「明治村」にすることである。
そもそも平成の合併はその根底にグローバリズムに似た地域のアイデンティティー破壊があるから、その逆に、市から村=コミュニティーへの反転はおもしろい気がする。