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3月31日 ましたむら寄稿

3月31日 ましたむら寄稿

パーマリンク 2013/04/01 09:16:32 著者: y-ishida2 メール

前号まで三回にわたって「まちづくり」と題して私の経験から、主に地方分権時代のまちづくり・国づくり論を語りました。今回は、その流れを受けて、下呂ならではの視点を考えます。
最近、政治・経済の世界では「アベノミクス」でもちきりです。世の中が明るくなり元気になることは結構なことですが、所詮株価や為替等、景気の問題はどこまでも不安定な要素が付きまといます。中央主権的で効率やスピード感のある変化を求める「ファスト文明」の価値観です。対して私の持論は、ゆっくり変化する「スロウ文化」です。今こそローカリズム、すなわち地方・地域に強く深い根を張った「ふるさと主義」です。
私は現在中部大学の客員教授を勤めていますが、中部大学は、名古屋大学・岐阜大学・三重大学と連携し、国連やユネスコの提唱するESD(持続可能な経済発展のための教育)というプログラムを推進しています。
そこで、このESDのフィールドステイション(実験地)に選んだのが萩原四美の「南飛騨国際保養地」なのです。ここは岐阜県の県有地ですから、今後岐阜県の支援を得なければなりませんが、なぜここを選んだのか述べたいと思います。
今後、地球規模で我々人類の最大のテーマは持続可能な社会を作っていくということ、すなわち1000年先の地球のことを考えるという生き方です。
世界的なシンクタンクローマクラブが50年先の世界を予想し「成長の限界」というレポートを発表、物議をかもしたのは1972年のことでした。今のままのスピードで経済成長すると2030年には世界経済は破綻し、世界人口は急激な減少に遭うであろう、と。言わば「持続可能な軌道から外れている」という警告の半鐘を鳴らしました。
それに対する反論もありましたものの、その後1992年リオデジャネイロで「環境サミット」が開催され国連を中心にした、「持続可能な経済発展」というエコロジー(地球生態系)の思想と目標が生まれたのです。
その実践のひとつが愛知万博であり、名古屋コップ10でした。そしてこのエコロジーの文脈の中に計画されたのが、「南飛騨国際保養地」構想です。
この構想が、何故今改めてクローズアップされなければならないのか述べたいと思います。
2年前の東日本大震災以降、わが国の喫緊の課題は資源とエネルギー問題になりました。わが国は無資源国、エネルギーのほとんどを海外からの輸入に頼らなければならないと考えられてきました。本当にそうでしょうか?日本の国土の7割は緑豊かな山林であり、豊饒な海域を入れると日本の領土は世界第6位の広さであるといわれます。そしてそこは太陽光、風力、水力、地熱、木材を利用するバイオなど自然の再生エネルギーの宝庫です。わが国は無資源国などでは決してありません。
そして私の言いたいのは、われわれの住む飛騨・下呂こそ、この自然エネルギーの宝庫ではありませんか!
四美の国際保養地こそ、そのモデル地区になりうるのです。
一方、国連が地球規模で考える持続可能な経済発展というテーマで、もう一つ重要な要素は食糧問題です。実は、国際保養地にある薬草園は国内外に卓越した施設です。薬草こそ、「スロウ文化」の典型ですし、持続可能な経済発展という概念の最も分かり易い対象ではないでしょうか。
ここで今後下呂の地で持続可能な将来のまちづくりに挑戦する際に注意しなければならないことを考えます。それは、行政の財政援助を当てにしないということです。分かりやすく言えば、補助金漬けにならないということです。この際、原発を誘致した自治体を教訓にしなければなりません。
今回は、国際保養地の可能性について述べましたが、次回から、そのほかにもある、下呂の宝について、よそ者しか気が付かない視点から述べたいと思っています。乞うご期待。

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