« 1月28日 下呂の歌舞伎 | 1月26日 孔子の教え » |
芥川賞と直木賞の小説を読む。
芥川賞を受賞したのは75歳の女性黒田夏子。直木賞を受賞したのは23歳の男性朝井リョウ。男と女、75歳と23歳、芥川賞と直木賞。この真反対の対称の違いが読書欲をそそった。
黒田夏子「abさんご」1時間でギブアップ。芥川賞選考委員の蓮実重彦が「誰もが親しんでいる書き方とは幾分異なっているというだけの理由でこれを読まずに過ごせば、人は生きているということの意味の大半を見失いかねない」と評している。黒田夏子自身、半世紀かかってこの文体にたどり着いたと言っているが、文章の意味が分からなければ、人生の意味どころではあるまい。が、芥川賞とは、他人に向かって語ることではなく、自分の内面に語る純文学だという解説を聞いて解らないなりに納得。
朝井リョウ「何者」は大学生の就活を巡る人間模様。ネット社会における言葉と表現について、その世界のスペシャリスト小説家としての問題提起と受け取った。納得の読後感。