« 1月16日 食文化を楽しむ1月9日 大学を使う »

1月13日  新しい火の創造

1月13日  新しい火の創造

パーマリンク 2013/01/18 09:37:46 著者: y-ishida2 メール

正月前後よくテレビを見た。時代に押し出されるようにエネルギーに関する番組が際立って耳目を引いた。
偶然観たのだが、アメリカの物理学者エイモリー・B・ロビンスの番組に釘づけになった。早速彼の著作「新しい火の創造」を購入、本日読了した。
40年先の2050年を想定し、アメリカのエネルギー問題を論じたもので、大きな示唆を得た。結論から言うと、脱原発、脱石油、脱化石燃料の再生エネルギーへの処方箋が書かれてある。その方法論に無理がない。
例えば、かって人類は塩の獲得を巡って戦争をした。塩は食物が腐るのを防ぐための貴重品だった。しかし今、冷凍技術の発達により塩をめぐる戦争などこの世から姿を消した。現在は、石油というエネルギーを巡って戦争が起きている。この石油というエネルギーが、どんな国でも生産できる太陽や風や水や地熱など自然の再生エネルギーに変わったら、現在の戦争はなくなる、と著者は言う。再生エネルギーは国家の安全保障上からも必要だと。
エネルギー戦略を、1運輸 2建物 3工業の分野から詳しく分析、省エネという何となく精神論のにおいのする言葉ではなく、コストダウンという経済指標で説明して説得力に富む。
最後に電力の項で繁栄の再構築を語っている。著者は物理学者ではあるが、スマートな都市とは何か、企業のマネージメント、政治のリーダーシップのあり方など時代の抱える問題を抽出し、最も大切な未来社会の方向を語り、倫理的な示唆が満載だった。
「今ある現実と闘って物事を変えることは決してできない。何かを変えるには、今あるモデルを陳腐化する新しいモデルを構築することだ」という言葉に、著者の主張が要約されている。

フィードバックはまだありません...

コメントを残す


頂いたメールアドレスはこのサイト上には表示されません

頂いたURLは表示されます。
(改行が自動で <br /> になります)
(Name, email & website)
(ユーザに、メッセージ・フォームを通じた連絡を許可します (あなたのメール・アドレスは表示されません))
2023年7月
 << <   > >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

XMLフィード

16ブログ     open source blog software