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選挙後、私の周りで初めて経験する現象が起きました。一生懸命応援してくれた支援者の多くの人たちが、力が足りなくて申し訳なかったと詫びられ、残念だった、残念だったと涙ながらに語り、下呂に引き続き住んでくれと熱心におっしゃる人たちのグループができ、私の住い屋まで提供していただける人まで現れたのです。
私を徹底的によそ者扱いし、頭から差別をするこの地の辺境性に救いようのないおぞましさすら感じた時もありましたが、反面、他の地域には考えられない律義で深い人情に触れ、妻とともに下呂に住むことを決意しました。そして選挙中に語った、山間のまちの魅力と、これからの日本人の生き方を引き続き語ることを、今後の私の人生にしようと心に決めました。
2012年4月、下呂市長選挙で私が投げかけ、そしてそれに呼応してくれた下呂市民の議論は、大自然に囲まれた山間のまちおこしこそ今後の日本人が求める幸せのモデルとなるべきであるという、「希望」を語りあったものです。そしてその記録が一冊の本となりました。
本書のまえがきとしては少々長くなりましたが、最後にアメリカの詩人ロングフェローの詩でもって締めくくりとさせていただきます。
「矢と歌」
私は大空に向かって一本の矢を射た
それはいずこともしれぬ大地に落ちた
あまりにも早く飛んだので
視力がそのゆくえを追えなかった
私は大空に向かって歌を口ずさんだ
それはいずこともしれぬ大地に落ちた
歌の飛翔を追うことができるほどの
鋭く強い視力をだれが持とうか
久しくたって
オークの木に矢を見つけた それは折れもせず
さらに歌も 初めから終わりまで
私は友の心の中に再び見つけた