犬山・羽黒地区「堀田・鳳町 農地・水・環境を守る会」
テーマ -3-: 「 有害生物(ジャンボタニシ)の駆除 」
ジャンボタニシ・・:
1970年大阪万博ごろから、アメリカから食用の大型巻貝として登場した、と記憶する。
金魚・緋鯉のように養殖場ができたりと、鳴り物入りの新・食材。
(・・が、あんまり美味しいものでは無かった)
売れ残った巻貝は棄てられたが、どっこいこの国の水に生き延びていたのだろう。
いまでは、田植えをしたばかりの、生育途中の水稲の茎や、レンコン、くわいなどを好んで食べている。
尾張地方では、海部郡の下流域に生きているとばっかり思っていたら、ここ10年ぐらいのうちに、とうとう最上流部のこのあたりにまで遡上してきた、繁殖している。
水中ではエラ呼吸するが、茎を登ったときは肺呼吸するらしく、巻貝とはいえ大変な生命力。
日本古来のタニシは、親貝が直接子貝を産む胎生なのに、
このジャンボタニシは「卵生」で、赤いというかピンク色の卵を稲の葉っぱや用水路の壁など、水面から離れたところに卵をかたまった形で産み付ける。
この卵の時期は空気にさらされている時だけ生きられるらしく、人の手で削るように削ぎ取って水の中へドボンと落としてやると、死滅する。
卵生の小動物ゆえ、あちこちに産み付けられているので、人の目の届かないところにあるものまでは、削ぎ落せない。
結局、根負けして田んぼ一円にジャンボタニシの繁殖地となってしまう。
数の子のような形の卵のかたまりだが、その色が薄桃色で異様な雰囲気のため、子どもたちも大人も、駆除の手を差し出しにくいムードに包まれる。
天敵は、鯉、フナ、アヒル、アイガモ、ほたるの幼虫だが、今どきのパイプライン用水路農法では、田んぼや用水路にこれらの天敵君が生きられない状態。
そんな田んぼ、用水路にしてしまったのは、もっぱら効率・能率のソロバン勘定に走った農政・農法にあるわけで、これも”人災”かな。
水稲有害動物と、指定されているようだが、完全駆除はなかなかむつかしい。