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ゴールデンウィークというと何だか日本全体が休日を楽しみ、遊ぶ週間というような雰囲気だが、国民の祭日にはそれぞれの意味があり、今一度その意味を確認する必要がある。
その一番が、今日の「憲法記念日」だ。私は、民主党を代表して青年会議所主催の憲法を考える集会に出席したくらいだから、憲法には関心が深く、「憲法記念日」には特別の感慨を抱く。
憲法は、ある面では、今の日本と日本人の自画像だと思う。憲法を読んでみる、あるいはその成立過程をもう一度思い起こしてみると日本史のおさらいになるし、世界の中で現在のわれわれの置かれている状況もわかる。憲法は実に面白い物語であるし、様々な考えを喚起してくれる生涯学習の教科書でもある。
毎年、「憲法記念日」前後は憲法論がかまびすしい。護憲論・改憲論それぞれが意見を主張し合う。今年は、自民党安倍政権の誕生によって、更には今夏の参議院選挙を控えて、ことさら激しさを増したように思える。
現在のわれわれの自画像である日本国憲法は、第二次世界大戦に敗戦し、GHQによる占領下に作られたものであることは歴史の事実だ。一応国会の議決はへたというものの、占領下、主権を失っていた時のものであり、原案はアメリカ政府から指示されたものである。日本国民の意思ではないから、この際本来の独立国に立ち返って、自主憲法を制定すべきだという意見には一応筋がある。かといって、今自民党を中心に高まっている改憲論に耳をそばだてると、どうしても戦争のできる普通の国にしたいと聞こえる。その点が憲法論議で最も重要である。世界中で一国くらい、国家の意思によって戦争をしないと憲法でうたう国があってもいい。いかなる戦争にも加担しないという生き方は、国際社会の外交上問題があるという意見があるが、かたくなに、頑固一徹理想主義を唱え続けることこそ価値があると私は思う。
人類の歴史に燦然と輝く理想を矜持する日本国憲法第9条を守りきるなら、私は真剣に憲法改憲論議に加わろう。ただし、現在のように96条の変更手続きから入るような正統性を欠いた憲法論議はまるで話にならない。