「石油ストーブ」が ”馬鹿売れ”し始めている。
一酸化中毒が怖い、放熱面でやけどが危険、湿気がこもる、
消し忘れで火事も心配、化石燃料(石油)は有限だし、・・。
町工場製品の市場へ、大手家電メーカーがファンヒーターで殴りこみをかけて市場を奪って久しい。
国内販売190万台/年が130万台/年へ縮小し、
専業メーカー・名古屋の「トヨトミ」がシェア4割で指定席。
創業60年のトヨトミが、いま日当たり5500台のフル生産。
4~50年も勤め上げた退職者が、何年ぶりかで呼び戻されて人手不足を穴埋めする。残業・休日操業で人海作戦。
機種にもよるが、前年比2~6倍の生産計画。
それでも納期待ち状態だが、増産のための新規設備投資は行わないと言う。
電気コンセントが要らないのが石油ストーブ。
熱反射板の明るさは、停電時の明かりにもなる。
だが、防寒・暖房の主力選手にはならない、と見抜いている。
円高・産油国生産統制から灯油は、リッターあたり70円が、ことしは90円レベルへ高止まりし、電気代より安いとは限らないし・・。
主食に対する副食・添え物の地位を脱しきらない、との、トヨトミの読みはリーズナブルだ。
さらに、防寒・断熱暖房は、窓ガラスの二重化、回り廊下など、家屋の断熱設計・間取りこそが、先決・恒久化の決め手と、長期展望もしたたかだ。
夏場の「扇風機」、冬場の「石油ストーブ」。
節電需要は、廊下(縁側)、土壁とともに、昭和の時代の暮らしのほうが、日本家屋には適していた、と教えてくれた。