漁師町に生まれ、仲買い、鮮魚店、大衆食堂・レストラン、旅館へと、
「お客さまとふれ合う商売」を拡げ、生涯現役を貫いた大女将がいた。
どでかい飛行場ができると聞いて、
「うちの海のおいしさ」を世界中の人に食べさせたい一念で、
空港ビルの中にまで食堂を構えてしまった。
“うちの者(従業員)なら”必ずおいしさで行列を作って見せてくれると信じた。
どでかいエビフライが付くメニューが話題を呼んだが、奇抜さだけを狙ってはいない。
お店にあふれる、気合と根性。 お客さまの、腹の奥からの高まり。
目配り、気配り、こころ配りの固まりのような接客とおいしさ。
「親しい人たちを引き連れて、また食べに行きたくなる“味”と“お店”」を追求したまでのこと、とか。
“未来”の姿を追い続けた事業家。
子どもたちの未来に“ほんまもん”の海を残してやりたい、
“ほんまもん”の「うちの海のおいしさ」を受け継がせたい。
お客さまには“ほんまもん”しか渡さない、
“ほんまもんの味”しか出させない、がんこおやじ以上の女将。