五条川近くの道端にケヤキの成木(胸高径50cm)がある。
周りに障るものもなく 扇形にのびのびと枝を広げる。
ニレ科の落葉高木、高さ18㍍ほどもあろうか。
ソメイヨシノのサクラ並木が葉桜になるころ、
ケヤキも新芽を吹き始め、数日で若葉いっぱいになる。
葉脈、葉先のギザギザがしっかりしてくると、
ケヤキの花が びっしりと付く。
脚立を延ばして、花をのぞいた。
大木なのに 花はかわいい。 香りは感じない。
カラス、野鳩も、スズメ、モズ、ムクドリも、
この時期だけは余り止まらない。
子育てに忙しいのか、ケヤキの花には少し粘り気があるからか。
四月の後半、春の終わりの半月ほどを「春深し」というそうな。
四季それぞれに特有の「深み」を感ずる期間は、短い。
日本列島がすっぽり高気圧に包まれ、風もない。
偏西風も昼間に春の眠りか、黄砂もスギ花粉も飛ばず。
お山(尾張富士)が、今日は やけに近くに見える。
グングンと上昇して気温23℃。 重ね着をさらに脱ぐ。
春がすみが立ち昇ることもなかったのに、
日が傾くころ、幼な児が指折り数える七色の虹 出現。
出遅れて、春蒔き野菜の畝つくりに追われた日。
物見遊山の食事会に出かけて、春の御膳を愉しんだ。
入鹿池のほとりの会場。
初々しい若者たちがボートを浮かべ、青春真っ最中。
明治村、尾張富士は 春霞に眠たそう。
雑木林は、新緑をまとい、小鳥がさえずる。
山つつじが咲く、タンポポが咲く。
虫たちよ、春の眠りは心地よか・・。
春は ひと雨ごとに暖かくなってゆく。
サクラの時期が過ぎて、あたたかな南の風。
野菜も一気に育つ。
晩秋の終わりごろ、「もうそろそろ蒔いてもいい頃だよ」と促され、さっそく種蒔きしたエンドウ。
この冬も3回ほど雪に覆われた。
土寄せも 雪覆いのわらもしてやれなかった。
いそがしさにかまけて、手入れ不足・・。
わが家の畑のエンドウは、ひ弱で 春の陽がまぶしそう。
ご近所のお師匠さんの畑のエンドウは、
ふかふかと 背筋を立てて たくましい。
師走のはじめ「ことしは手回しいいね」と冷やかされた玉ねぎ。
積雪の下敷きから立ち戻る際には、弱々しくて心配した。
ポカポカ陽気で、元気に背伸びしてきた。
師匠の畑の玉ねぎも、さすがに色濃く、茎もたくましい。
エンドウも玉ねぎも 毎年一度しか作付け・収穫を体験できない。 3年やっても 実習は3回・・。
ひたすらに、見習いながらの畑仕事。
土つくり、作付け作業、肥え遣り、水遣り・・見よう見まね。
褒められるほどの作柄には なかなかならない。
「蒔かぬ種は、生えない」
”野菜づくり 足音の数だけ 良く育つ”。