小売業界サービス業界に限らず、「顧客満足」こそが第一だと言われ続けて久しい。
お客さまが満足していただいたかどうかを、販売者・サービス提供者が、覆面調査員が膨大なチェック項目を採点したものや、アンケート・はがきで顧客に尋ねて返される回答を、集計分析し数値化して、その良否・是非を知る。
これが顧客満足CSの教科書もの、ノウハウものの多くであったように思える。
果たして、「これでお客さまが増え、リピート率も向上し、これからも増加・向上させられると確信できる」と言えるだろうか。
この一抹の不安、納得しきれない気持ちから、一気に目覚めさせてくれる、指針を示してくれるのが、『・・究極の質問』であった。(フレッド・ライクヘルド著、鈴木泰雄訳、ランダムハウス講談社2006刊)
・・手法としては顧客満足度調査の実施風であるが、「たったひとつの質問を発し、お客さまの回答・意思表示を得ること、これで顧客のロイヤルテイを知る」。
この四半世紀もの間、作る側・出し手の論理、提供者の理屈で、お客さまと向き合い、自分の都合を”売り込み”、引き渡したらそれで終わりとしてきた現場。
この現場の自己中心的・自己満足と、経営の志の浅さが、目からウロコどころか、一瞬にして瓦解し、その中から新しい源泉、若芽を見つけることになっていく・・。
書評を評するものの言葉はさておき、自分の目と心眼で捉えてください、とお勧めできる一冊。