No.27 ラタン・アート 一本のつるから立体へ変わる


今、旬の女性 藤工芸教室主宰
平田ふく子

25年前、夫の勤務先の京都に住んでいた。
その地で催されていた藤工芸の展示会を見て、「将来の楽しみのためにやってみたい」と思い、弟子入りした。

自然素材で、いろいろな種類のつる(蔓・ラタン)は、ぬくもりがある。
ナチュラルなところがいい。
一本のつるから、ひと編みひと編み形になり、立体にでき上がるのが魅力で、のめりこんでいった。

何年か経った頃子どもの通う学校で、PTAの役員をしてた。
レクリエーションのひとつとして「教えて欲しい」ということがきっかけで、自分も習いながら、仲間のひとりとして楽しいひとときをもつようになった。

夫の出生地である現在の住居に戻ってきて16年。
この地でも、友だちが友だちに声をかけ、集まり、藤工芸の教室が始まった。


生徒さんも次第に増えていった。
「作品展を・・」という声もあり、主婦の方ばかりなので少しでも経費節約ができたらと、一年半に一度くらいの割りで、自宅開放で、作品を見てもらっている。

お得意の女の子の人形も、しぐさがとっても可愛いし、色がなんとも素適である。
もともと陶器が好きなので、独自の発想で陶器とラタンを組み合わせた作品も好評である。

何年も通っておられる生徒さんに尋ねた。
異口同音に「技術がすぐれているし、なによりも先生のおだやかで思いやる心を持った人柄が魅力」と返ってきた。

ほかにもまだ、三つの趣味がある・・。

ひとつに英会話がある。
英会話はことばのキャッチボールができないと楽しみも少ないので、
「英語圏のひとに藤工芸を教えられたらいいなあ」と、当面の願い。

でも「英語は勉強の積み重ねがないと上達しない」と反省しています、と。
たいへん遠慮がちである。

二つ目は詩吟。
詩吟をやるひとに、あまり若いイメージはないが、
同好の友人と楽しんで、その時間を打ち込んでいると、こころが晴れ晴れするそうだ。
また、自分自身のエクササイズのひとつと思ってやってます、とも。

先日その詩吟をお聴きする機会があったが、声もよくのびてすばらしく、聴き心地がよかった・・。
残りはテニス。
80分間つづけて動くので、ほどよい運動になる。
テニスは健康のためとか。腕前のほどはわかりません。
いろいろな分野のことをすることにより気分転換でき、
ひとに接する時やさしくなれると思うので、どれも大切である。

自分の中でバランスをとりながら、自然体で動いておられる。
だから毎日が輝いておられるのか、と納得できた。
家庭では姑のお世話もあり、毎日いそがしいが、
「生徒さんにも恵まれ、リタイアした主人の手助けもあり、このように活躍できるので感謝してます」と、いつも声に出して言われる。
ご夫婦円満なのでしょう。
将来は自分も歳をとり、スローライフになる。
この教室の場所で、みなさんのサロンのように使ってもらい、
「いろいろな情報や能力を持った方たちが、教えたり教えてもらったりする。」「なごやかに過ごせたらいいなあ」と考えている、と。

「できましたぁ」「ようやく覚えられました」「うまくいきました」と、
元気な声を聞くのが一番うれしいそうだ。