21『「陶」と「古布」に夢中』

今、旬の女性三輪幸子
三輪幸子さん 個性的な趣味人。本人は自分のことを よい風に言えば 大人、本当はわがままで気の向くままに生きているだけの女性(ひと)、と評される。

若い頃は海外の物産、特に東南アジア系の雑貨をあつかう店を経営していた。そのころから いつか自分の手で作った器で食事をすることにあこがれていた。子育てが終わるのを待って陶芸教室に通い出した。
三輪幸子さん あれから20年。好きなことだから 夜中の窯焚きも みずから買って出て手伝った。特に釉薬を掛けないで土そのものの色を生かせる「焼き締め」に魅せられた。焼き物を愉しむには作陶はもとより 歴史なども学んだり、自分独自の釉薬を考え出したり、さらに美術館・ギャラリー巡りなどと やりたいことがいっぱいある。時々「教室を開いて教えて欲しい」と言われるが、時間を拘束されるのが気詰まりだし、その気は無いとか。いまは自分を楽しませることで精一杯。
三輪幸子作 夫はサラリーマン。趣味の音楽でロックバンドに所属している。土、日曜日はコンサートであちこちにでかけるので、一緒に行く。空いている時間に 魚釣りをしたり、散策をしたりと二人で過ごす。二人共遊びがとても上手である。
三輪さんの日常着は どこか一点 大正か明治の時代の古布をあしらい、この世界に一枚しか無いものを着ている。Tシャツに古布でトリミングをしたり、小さなパッチワークを入れたりと、さりげなく「個」が光っている。伝統的なきものの華やかな 懐かしい美しさはいつも意識して居たいという。
三輪幸子作 今は 陶と古布を使って アクセサリーやバッグを作るのに夢中だ。
自作のバッグを下げて ギャラリーに出掛けたら、店のご主人から、ぜひ作品を置いてほしいと言われ、現在ではそこに行けば、三輪さんの作品が購入できる。
自分の作品を買ってもらうということによって、より真剣に作品作りができるので、よいこともある。
三輪幸子作 いまは都会に住んでいる(名古屋駅近く)ので、六十過ぎたら 川や滝のある田舎に住むのが夢である。
母の郷である熊野の山中、ぬくとまりという地で自然と遊んで生活(くら)すのもいいかなと考えているそうだ。
今のいそがしい生活をしている三輪さんからは
想像できませんが・・。
いつもにこやかでこころ優しい女性。
また、その反面、相手が都合付かないときは、どこまでもひとりで行く。
喫茶店や食堂もひとりで はいれる。孤独も楽しめる女性でもある。
2006・11紹介C/T