20『パッチワークキルトで社会貢献』

今、旬の女性柊パッチワーク教室
主宰堀部房子
堀部さんは 針仕事が大好き。ひと針ひと針思いを込めて縫い進めていくと心が落ち着いて楽しい気持ちにひたれる。
はじめて友人に連れられて通ったパッチワーク教室で、小さな布切れをつなぎあわせていくと タペストリーや、ベットカバーなどの大きな作品になることに魅せられていった。その後キルトスクール名古屋にて講師の資格認定を受け、また何年か後に文部科学省許可・日本余暇文化キルトインストラクターの資格も得られた。長く続けているうちに作品も多くできあがり、横浜キルトウイーク、神戸キルトウイークなどで賞もいくつかいただけるようになられた。
堀部房子さん

そのうちパッチワークのキルト作りを通して社会参加し、世の中に役立つ活動ができないかと思うようになった。

そんなときの2002年2月キルト愛好家が集まって「NPO法人QUILT21」が愛知県東郷町を拠点に立ち上げる話が進み、理事の一人として加わりその年7月より本格的に活躍が始まった。
現在の会員は158名。


NPO法人QUILT21 この地区では 犬山市東古券の余遊亭を会場にして毎月 各務原、犬山、江南からの会員によってパッチワーク作りをされている。具体的な活動として、好きなかわいい柄の布で21cm四方のパターンにして持ち寄り、集まったパターンをつなぎベビーキルトに仕上げる。キルトのほかにもパターンを利用して作ったバッグや巾着も作成することがある。
いままでに全国の仲間たちとアフガニスタンの難民キャンプの子どもたちに900人分の通学バッグを寄付したり、新潟県中越地震の被災地や仮設住宅の子どもたちにベビーキルトを送ったりしている。


NPO法人QUILT21 昨年は犬山のフロイデまつりにも参加。巾着をチャリテイ販売し、キルト体験コーナーなども設けて、地域の人たちにも喜んでもらった。今年のフロイデまつりにも参加を検討してみようと思っているとか。


各務原の風庵のギャラリーでは教室展も開いている。
ここではミニ講習会の収益金から車椅子を購入し、
各務原市に寄贈している
堀部房子さん 堀部さんは、ひとりではできないけれど、みんなの力で手作りし、少しは社会の役に立てばうれしい。パッチワークキルトは布と針と糸さえあれば、誰にでもできる手芸として世界中の女性に愛されている。
「好きな仕事で 災害・病気などで苦しむ子どもたちに少しでも貢献できれば幸せ」と話される。
多くの仲間に囲まれ、色とりどりの布を使ってのベビーキルト制作はとっても愉しいので、「毎月最終木曜日の余遊亭の例会は ご見学大歓迎。多くのベビーキルトを作って多くの子どもたち届けたいので、はじめての人も いくらかの経験のある方の参加も得て仲間を増やしていきたい」会員を募集中。
NPO法人QUILT21 手仕事によるキルトのほかに 19世紀以降の家庭用ミシンの普及と共にミシンで縫うキルトも出現した。
堀部さんも手縫いとミシン縫いの両方をされている。ことし6月に岐阜県博物館での「キルトの魅力:アンテイ−クミシンとのコラボ展」にも参加。
ここでの展示作品のひとつ「名古屋城障壁画竹林豹虎図」は、QUILT21のメンバー60名の共同作業による5万ピースのモザイクキルトを8ヶ月がかりで完成させたもの。
堀部房子さん デザインと色を決めて布探しに走りまわるときは、悩みでもあり、いちばんの楽しみでもあるようだ。静かな作業というイメージのキルト作りもなかなか体力の要るお仕事だと、堀部さんを見ていて感じた。アメリカ、オースラリアなど海外のパッチワーク展示を観に行くのも喜びだとか。
キルトも極めるとなかなか奥の深いものですね。
どうぞ今後もキルトを通して社会活動をされますように応援しています。

2006.9. 聞き手・C.T.