bS『もの創り大好き!!』

今、旬の女性造形作家
服部伊津美
服部伊津美さん 山形県に生まれ育ち、大学は東京の武蔵野美術大学(空間デザイン科)に進んだ。
結婚して、豊田市に住むようになった。

三人目の末っ子が小学校に入学した頃、身体に不調があり、病院で診てもらった。「どこも悪いところは有りませんよ。好きなこと、打ち込めることをしたら、治りますよ」と言われた。
娘にピアノを教えてもらう代わりに、ピアノの先生の子に絵を教えるという交換トレード状態から始まった「こどもの造形教室」も、15年続いている。アトリエでは工作をメインに教えている。
季節感や伝統を盛り込みながら、楽しく作れるものを、と工夫している。こどもたちの笑顔を見ているのが楽しい。
絵手紙絵手紙を愉しんでいるのを見て、「教えて欲しい」といわれ、3年前から講師もしている。
絵と言葉を考えるのが大好き!!

陶芸歴は14年。やり始めからどんぶりに耳を付けたり、尻尾が付いた茶わんができたりと、あまりにも個性的で、陶芸の師匠は指導もできなかったようだ。
絵手紙 服部さんはいつの頃からか彫刻家ヘンリームアをこころの師匠として尊敬している。それでいつもどこから見ても空気と作るものの際(きわ)の輪郭線が心地よく見えるようにと気をつけている。
主に、造形美あふれた食器、動物を擬人化したフィギュア(造形)の世界。
フィギュア。――これは全くモデルも無く、服部さん独自の創造の世界:オリジナルの作品である。
窯から出てきたばかりのカップを見て、思ったよりいい色にできたぁ、うれしい!と大喜びであった。
カップであれ、フィギュアであっても、どれも歌を唄っているところから「土歌展どかてん」と名付けて、6年前から2年に一度個展を開くようになった。

※最近の個展:『土歌展どかてん―猫もどき祭りー』
2003.10.10.〜10.28.於三好町

擬人化した動物の作品には一つひとつにタイトルがある。
本人は「詩がつく」と言われるが、その詩と動物の表情がピッタリで、思わず笑ってしまう。
自分が抱えられる分だけ持てばいいんだョネ 『自分が抱えられる分だけ
持てばいいんだョネ』
『なめたらあかん!!』 なめたらあかん!
この元気玉あげるよー 『この元気玉あげるよー』

きれいな顔、姿で、すがすがしいさわやかな方。その言葉は歯切れ良く、「父ちゃんのごはんはちゃんと作ってるよ」と、ポーンと返ってくる。

ご主人、三人のお嬢さんたちもあたたかく見守ってくれている。

こどもの造形教室、絵手紙教室も、オリジナルな作陶も、自分の中では全部つながっているので、毎日が楽しくってワクワクしている。

かって身体の心配で医者を訪ねたなんて、今では誰も信じられない。
自律神経失調症(あとになってわかったのだが)を患って以来、ライフワークになるようなものを、特にクリエイテイブなこと、ものを創ることを始められ、主婦以外の肩書きを持っていきいきと生活されている

紹介者:C/T