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ナラ枯れ -4- 防除・駆除は?

パーマリンク 2010/08/21 03:06:22 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

「私が住んでる春日井市でも、キクイムシの被害が出ているようです(;;)
「黙ってそのまま木が枯れていくのが忍びなくて、なにかしたいのですが・・」とのコメントをありがとうございます。

(樹木医とか森林インストラクターでもなく、里山をこよなく愛する素人の、耳学問のウンチクと読み流してください)

    ***************


 ナラ枯れを引き起こしているのは、「ナラ菌(病原菌)」。
 (カビのようなものと想像してますが)
 ナラ菌が樹木内に拡がって、樹が水切れ状態に陥って枯れる。

 カシノナガキクイムシ(カシナガ)は、
枝葉へ水を吸い上げる、幹の皮のすぐ下の導管(水の通る細胞の管)よりも、もっと幹の芯材のほうにアリの巣状の居住区をつくって繁殖する。

 ナラ菌の媒介運び屋が、カシノナガキクイムシ(カシナガ)。
 このカシナガ・キクイムシの繁殖力が、旺盛。
 カシ・ナラ類の健全な木が好物のようで、
いまでは20府県以上・1500ha以上が被害を受けて、まだ拡がっている。

 体長数㍉の成虫や、その幼虫にも、天敵があると思うが、なにせ立木の幹の中に居るから限られよう。



【ナラ菌・カシナガ被害の見つけ方】:
 立ち枯れに至っていないが、「カシナガのキクイムシが飛来して、どの樹に取付いたか。穿孔して樹を痛めつけはじめているか」を早めに見分けるには、

 カシナガ・キクイムシが穿孔した木くずや糞が(おがくずのように)樹の根元に溜まっている。

 昨年の夏、東大演習林(犬山)で学習視察させてもらった現場では、根元から人の背丈までくらいの胴回り数十か所に穿孔があり、根元に木くずが溜まっていた。
その樹はもう手遅れで、やがて水不足で立ち枯れを待つのみ。

(2010.8.17.撮影。春日井市の グリーンピア春日井にて。苔むすほどの大樹の幹にも木くずがこぼれ、すでに”真夏の紅葉”)


【被害を受けている樹を救うには】:
殺菌剤(ベノミル水和剤)を孔あけ・注入して、ナラ菌とキクイムシのえさになるナラ菌が出す酵母を殺菌する。
ただ、木くずがこぼれて見つかった時点で措置しても、助かるかどうか・・。


【特定の健全なカシ・ナラ類の樹木を護るには】:
飛来しやすい春~夏~秋に、
「根元から人の背丈ほどまで、幹をまるごとフィルムシートでぐるぐる巻きしておく」「
殺虫剤(フェニトロチン)+粘着剤を、まるごと塗りたくっておく」などの策があるとか。
公園・庭木のカシ・ナラはできても、里山、奥山では難儀なこと。


【被害を広げないためには】:
ナラ枯れした樹を伐採して焼却するか、
ナラ菌・キクイムシの着いた丸太を、殺虫剤の水槽でドブ漬け殺菌する。
これも、手間ヒマ・コスト的にも 困難な難題。



カシノナガキクイムシ(カシナガ)の被害=「ナラ枯れ」の駆除・防除の対策は、”松くい虫”の被害と同じように、防除・駆除は難儀のようです。


*** ナラ枯れ被害 by 林野庁 ホームページ ***
    http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/naragare.html  

"断面の世代" (美術作家:束芋さんの作品名)

パーマリンク 2010/08/20 04:00:21 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

 思わず膝を打つ”名言”に出会った!・・。

 1970年代生まれの30代を、
 (「団塊の世代」に対比して)
 「断面の世代」と呼ぶ。

 名付け親は、美術作家の束芋(たばいも)さん。

 現代日本の諸相を切り取る映像作品が得意。
 大阪・国立国際美術館の展覧会へ出品している作品が、
 題して「 束芋 断面の世代 」。


[日経新聞20100818夕刊文化欄より引用し書き留める]

 断面の世代のパターン(典型)は、
   集団の和よりも 個を尊重する。
   一通りのことは自分一人でできるが 専門性は弱い。
   あきらめも早い。
   自信たっぷりだが、
   実はとても薄っぺらな存在であることも多い。
 その親にあたる「団塊の世代」と比べ、好対照・・。


 なぜ”断面 ”なのか。

 束芋さんのたとえによれば、
 団塊世代は”太巻き”とすれば、
 断面世代は”太巻きの断面”そのものだ、という。

 団塊世代は、
 自分の専門に誇りを持ち、その道を究めようとする。
 個性あふれる一人ひとりは、いわば太巻きの具。
 各人が 米やかんぴょう、キュウリとして役割りに撤し、
 ノリのような優秀なまとめ役に率いられれば、
 集団として とてつもない力を見せる。

 断面世代は、これに対して”太巻きの断面”そのもの。
 全部そろうが、いかにも ぺらぺらな存在だ。
 しかし、ぺらぺらだからこそ、
 それらを集め直せば、おもしろい太巻きができるかもしれないし、そこから新たな世界が見えてくるかもしれない。
 

[日経新聞20100818夕刊文化欄より引用し書き留める]

「布ぞうり作り講習会」9月開催 (小弓の庄)

パーマリンク 2010/08/19 00:03:38 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

 平成22年度「小弓の庄」自主事業で、ことしは「布ぞうり作り」。
 (昨年までは わらぞうり作りの講習会を 毎年 開催。)

 と き:  平成22年9月23日(木・秋分の日)午後1時から
 ところ:  「小弓の庄」
 定 員:  先着 20名
 
 受付開始: 平成22年9月1日(水)午前9時から
 講 師:  地元在住の”お師匠さん”たち
 参加費:  500円(材料代込み)

 持ち物:  はさみ(裁縫はさみ が 使いやすい)
 申込み方法:「小弓の庄」へ。直接または電話で申し込み。
       TEL: 0568-68-3767

ナラ枯れ -3- ”キクイムシの暮らし”

パーマリンク 2010/08/18 00:45:06 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

 東尾張~東濃~西三河の里山に拡がる”夏場の紅葉”。
 「ナラ枯れ」と言われるキクイムシ被害。

 枯らしているのは「カシノナガ キクイムシ(カシナガ)」
 体長 数㍉のキクイムシが、
 ナラ菌という病原菌を運び、
 元気な樹木に孔をあけて入り込み、菌を繁殖させる。

 カシナガは その菌の酵母を食べて自給自足するらしい。

 高温の入梅~梅雨明け時の、風に乗って飛び出して、
 数百㍍~数㌔ほども先の、元気なコナラ・クヌギの樹へ。

 丈夫なくちばしで、表皮から穴掘りして、
 芯材近くで卵を産み付ける。

 孵化した幼虫は やがて羽化して、親のお手伝いをする。
 縦横にトンネル網を張り巡らして、家族を増やす。

 表皮のすぐ下の導管(幹の水を送るところ)の破壊がすすむと、樹木は水不足で立ち枯れとなる。

 カシナガ・キクイムシの繁殖が激しい梅雨明け時に、立ち枯れするものが続出して、まるで”夏場の紅葉”となる。

 中央自動車道、東海環状自動車道から見える里山にも、このごろめっきり被害の山が増えてきた。

 冬場の穴掘りは苦手のようで、冬を越した家族は、翌年の梅雨時に、新しい樹木を求めて飛び出し旅をする。

 
【写真上】カシノナガキクイムシの成虫標本。出典:三重県樹木家会サイトから
【写真中】キクイムシに穿孔された立木断面図。出典:同上。
【写真下】ナラ枯れの被害拡がる。東海環状自動車道下り線 せと品野IC附近。

ナラ枯れ -2-  被害拡がる

パーマリンク 2010/08/17 23:09:13 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

(犬山市東之宮古墳の白山)(犬山市高根洞の里山)


 「ナラ枯れ」の被害が 拡がっている。
 真夏の里山に 紅葉したかのような景色。

 ナラ枯れは、樹木の伝染性の病気でブナ科の樹木が集団で枯れていく。


 10年前なら、越中富山、長良川上流の飛騨地方で。
 数年前に木曽川を越えて、東濃・尾張北の丘陵地帯に。

 わが家の近くでは、コナラ、クヌギの薪炭林地。
 胸高の直径30㌢ほどの大径木が 立ち枯れする。


 このごろは猿投山~西三河の里山にも拡がってきた。
 思わず「マツクイ虫被害?!」と見間違える。

 枯らしているのは「カシノナガ キクイムシ(カシナガ)」
 山林に拡がった被害を、人の手で防除するのはむつかしい。

 孔をあけて穿入した木を見つけるのも苦労だし、
 立木を燻して死滅させるわけにもいかず・・。

【写真上の上】犬山市白山。東之宮古墳からラインパークの里山
【写真上の下】犬山市高根洞の里山。長者町四丁目から。
【写真中】ナラ枯れの被害を受けたコナラの樹。犬山市池野。
【写真下】東海環状自動車道下り線・愛岐トンネル入り口付近

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地域HP犬山羽黒「ブログ塾」塾生記。晴耕雨読に暮らす。 野良仕事こそ、cultivate耕やす文化(culture)という。

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