カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

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詩聖・杜甫と「春望」

パーマリンク 2009/03/22 16:21:07 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

 国破山河在 城春草木深
 感時花濺涙 恨別鳥驚心

 烽火連三月 家書抵萬全
 白頭掻更短 渾欲不勝簪

 杜甫がこの詩を詠んだのは、四十六歳の時。
 杜甫は当時、安禄山の乱の奇遇に出逢い、長安の都で囚われの身であった。
 ある日、許しを得て近くの丘にのぼった杜甫が目にしたものは、
 戦乱続きで変わり果てた都の姿であり、それとは対照的に再生の春を迎えて、緑生い茂るみずみずしい山河の在りようであった。
 この眺めに、こみあげる万感の想いを託したのが、後世に残る五言律詩「春望」。
 以来千二百余年、その興趣と余韻で、多くの人々に感銘を与え続けてきた名漢詩。

 国破れて 山河在り
 城春にして 草木深し
 時に感じては 花にも涙を注ぎ
 別れを恨みては 鳥にも心を驚かす

 烽火(のろし) 三月(さんげつ)に連なり
 家書 万全に抵(あた)る
 白頭 掻けば更に短く
 渾(すべ)て 簪(しん)に勝(た)えざらんと欲す

【写真・出典】東京銀座・美術通販「トップアート」の掛け軸・新聞全面広告より。2009.3.16.日本経済新聞。

詩聖・杜甫の人生軌跡と「春望」

パーマリンク 2009/03/21 00:54:26 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

詩聖・杜甫の人生軌跡と「春望」


 杜甫(712~770年)が活躍したころ、中国は唐の玄宗皇帝と楊貴妃の時代。宮廷では詩や芸能がもてはやされ、詩人の祖父を持つ杜甫も若くから読書と詩作に励んだとされる。

 その後、官職への登竜門である進士の試験に落ちた杜甫は、失意のまま放浪の旅へ。その先で、のちの大詩人・李白と知り合ったことが大きな発奮材料になる。やがて宮廷で自作の詩が認められようになった頃、杜甫はすでに四十歳過ぎ。ようやく官位を得て、朝廷に出仕できるようになる。

 ところが755年、安禄山の乱が勃発。侵攻を受けた玄宗皇帝は皇位を息子の粛宋に譲り、長安の都を捨てて敗走する。
このとき杜甫は新皇帝のもとに駆けつけようとし、敵陣によって捕縛。囚われの身となった杜甫は、戦乱の続く厳しい冬がほっと緩むように春めいてきたある日、許しを得て近くの丘へと出向いた。

 そこで杜甫が目にしたのは、戦いに破損した都の悲惨さと、いきいきとした春の緑に輝く山河の、あまりに対照的な眺め。

 後世に残る名漢文詩は、こうして創りだされた。
 現世の哀惜と人の情けの機微をうたった詩聖・杜甫の代表作となった「春望」。
 遠くおおらかな風にも似た郷愁が、胸にしんしんと響く。


 国破山河在 城春草木深
 感時花濺涙 恨別鳥驚心

 国破れて 山河在り
 城春にして 草木深し
 時に感じては 花にも涙を注ぎ
 別れを恨みては 鳥にも心を驚かす 

 烽火連三月 家書抵萬全
 白頭掻更短 渾欲不勝簪

 烽火(のろし) 三月(さんげつ)に連なり
 家書 万全に抵(あた)る
 白頭 掻けば更に短く
 渾(すべ)て 簪(しん)に勝(た)えざらんと欲す

【写真・出典】東京銀座・美術通販「トップアート」の掛け軸・新聞全面広告より。2009.3.16.日本経済新聞。

「国破れて 山河在り」  杜甫

パーマリンク 2009/03/20 01:29:57 著者: モリゾー
カテゴリ: 畑仕事はカルチャー

 「 春 望 」   唐の詩聖・杜甫(712~770年)の名漢詩

 国破山河在 城春草木深
 感時花濺涙 恨別鳥驚心
 烽火連三月 家書抵萬全
 白頭掻更短 渾欲不勝簪

 国破れて 山河在り
 城春にして 草木深し
 時に感じては 花にも涙を注ぎ
 別れを恨みては 鳥にも心を驚かす

 烽火(のろし) 三月(さんげつ)に連なり
 家書 万全に抵(あた)る
 白頭 掻けば更に短く
 渾(すべ)て 簪(しん)に勝(た)えざらんと欲す

 長安の都は戦に破壊されたが、山と河に変わるところは何もない
 その都に春が巡り来て、草も木もみずみずしく生い茂った
 騒乱の時世に心が痛み、美しき咲く花を見れば涙があふれて
 親しい人との死別を嘆くたび、鳥の声にも胸騒ぎを覚えてしまう

 戦いの のろし火は、三ヶ月を経た今も止まず
 家族からの手紙は、万全に値するほど懐かしい
 白くなった頭を思わず掻くと、髪はすっかり短くなっており
 役人時代に冠を留めていた留め針さえ、刺せなくなろうとしている

【写真・出典】東京銀座・美術通販「トップアート」の掛け軸・新聞全面広告より。2009.3.16.日本経済新聞。

「その時 歴史動いた」NHK最終回

パーマリンク 2009/03/19 01:25:00 著者: モリゾー
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 NHKテレビの長寿番組「その時 歴史が動いた」が最終回で幕を閉じた。

 2000年の初回「天下の分け目、天王山の戦い」から、9年間。
 本能寺の変で、「この国の流れ」が、限られた権力者族の世のためより
「知恵と力のある者が人(民)の世をつくる流れ」に、潮目を変えた戦いだった、
と言い切った切れ味で、根強く支持された番組。

 秀吉の世は、秀吉の個人的な暮らし振りや人情で語るのではない、と言った。
 太閤の検地で、課税台帳と耕作地面積割賦課(米の作況に左右されない安定した徴税制度の確立)。
 刀狩り令で、農民兵の百姓を田んぼの村へ帰し、職業軍人(家人、侍)をつくる兵農分離。
 朝鮮出兵(文禄の役、慶長の役)は、城持ち大名の財力消耗と論功褒賞の領地獲り狙いと、中央集権・地方服従狙いではなかろうかと解き明かして見せた。

 「その時 歴史が動いた」は、団塊世代の歴史に学ぶ潮流に乗って、高い視聴率をとり続けた。
 その団塊世代が表舞台から退場がつづいて、番組も「長らくご覧いただきありがとうございました」と幕を降ろした。

 4月から登場する新番組「歴史秘話 ヒストリア」に 期待するとしよう・・。

【写真・出典】いずれもNHKテレビから。

日本の森林が ファンドで外国人に買い占められる!?!

パーマリンク 2009/03/18 11:58:51 著者: モリゾー
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 ここ35~40年間、日本の林業は衰退し続けている。

 なのに、森林を育てる、間伐、収伐(成木を伐る)、植林、下刈りを担当する林業就業者が高齢化し後継者が居ない。

 ところが「里山の山林をまとめ買いする」「林業の施業をして、立木を所有する(ヤマの木を買い占めて、伐って丸太・製材品を売る所有権を買う)」ビジネスモデルがでてきた。

 これを500ha、1000haとまとめる。
 これを証券化し、ファンド金融商品が組成され、投資証券として投資を募るのだという。
 
* ****

 細切れ債権をまとめて証券化しファンド商品としていく手練手管は、20世紀終末にアメリカが先行した金融工学商品ビジネスそのものではないのか。

 変額年金保険、都市再開発投資資金、回収リスクの高い住宅資金(住宅金融専門会社融資)(サブプライムローン)・・。
 株式ブーム、土地ブーム、財テク金融商品ブーム。
 バブル景気、バブル崩壊、97~98年金融危機。
 そして 失われた15年間。

 資源ブーム(原油エネルギー資源の高騰、穀物・飼料の高騰)。
 つぎにはCO2排出権取引、そして森林立木伐採権取引・・。

 おそらくはCO2削減、地球温暖化防止に貢献する・・とか、
 間伐放棄人工林を育てる、水源涵養・治山利水に貢献、
 中山間村過疎地を活性化など、響きのよいことばに飾られて。
 
 某国のファンドトレーダーが、
 こりゃ“グリーンファンド”だ。売れるぞ!と叫んだとか。

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地域HP犬山羽黒「ブログ塾」塾生記。晴耕雨読に暮らす。 野良仕事こそ、cultivate耕やす文化(culture)という。

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